hatch 2014/07/29__00:00

＊ふられサンジ（唐突）

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「悪いが応えてやれない」
　お前が好きだ、と口にした俺に、ゾロは言った。なんて真摯な対応だろう。普段の俺達の関係からは、考えられない。
「そりゃそうだろ」
　俺は声が震えない様に細心の注意を払って言った。俺も真摯であるべきだ。相手を思えば当然の対応を。自分の願望には嘘を吐いたとしたって。
「お前は何も悪くねェよ、気にするこっちゃねェ」
　もう、茶化しても良いだろうか。
「受け入れられたりしたら、気持ち悪ィぜ、逆に」
　無かった事には出来ねェから、せめて。普段の関係に戻るくらいは。
「うぉ、想像しただけで鳥肌が！」
　俺は肩を竦めてシャツの上から腕を擦って見せた。
「聞かなかった事にしろよ、じゃあな」
　ゾロの口は何か言いたそうに開きかけたが、それを見なかった事にして見張り台から飛び降りた。華麗な着地を上からゾロが見ていた気配は感じたが、一度も振り向かずに男部屋のハッチを開いた。体を滑り込ませ、ハッチを閉じる。ぱたんと音を立てて、俺は恋心の蓋も閉じた。

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20140717

（『真摯』って使い方合ってるでしょうか？）（訊くな）