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『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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*キスについて

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 *****
      



 ゾロは間近で俺の目を見てから、数瞬瞼を見せる。
 俺の唇を、見るのだ。
 目と唇の間を移動する動きは、素早い。そしてまたその素早さで視線は戻り、目を見る。じっと。
 その後、視線はまた唇に移動する。二回に分けて。一旦鼻の辺りで視線は止まり、それからゆっくりと、瞼は伏せられる。
 瞼の動きに連動する様に、ゾロの唇が緩く開く。
 引き結ばれていた唇を引き剥がす様に力を入れるのが分かる。上唇の皮膚と下唇の皮膚がくっついていたのが、互いに引っ張られ、伸び、ぷつりと隙間を得て離れるのに一段階。そこで唇本来の形を取り戻すのを待つかの様に、一度止まる。それから僅かに力を入れて、白い歯の先と赤い舌の先が少し覗くので二段階。それからゾロは、少し顎を前に出す。首に僅かな角度をつけて。

 ゾロは俺に喰らいつきたいのだ。

 もう一度、ゾロは俺の目に視線を移す。素早く。そして見る。じっと。
 俺はそこでゾロの観察を止め、ゆっくりと瞼を下ろす。
 了承、の合図だと、ゾロは解釈する。
 すっかり目を閉じた刹那、俺は喰われる。

 まなうらに浮かぶ歯の白と舌の赤。
 それは鮮烈な印象で、俺を喰いちぎっていく。
 捕食される悦びで、俺を、ずたずたにする。喰われる悦びなんて、知らなくて良かった。
 甘やかな口づけや恋の語らい。そんなものとは無縁の、凶暴な悦び。そんなものは。
 知らなくて良かったのに、今や、失えない。その唇は。

***

 唇なんて、誰のものでも大差無い。瞳を閉じてしまうのなら尚更。
 それなのに。その筈なのに。
 一際薄く敏感な皮膚は、内蔵の入口だ。
 柔らかなそこを開かせて、喰らいつく。

 熱に煽られ、熱を孕み、熱を生む。
 他の誰のものでもない、その唇が。

 喰らいつきたい。唇から始めてその身全てを、喰い尽くしたい。
 俺だけのものに、してしまいたい、凶暴な欲望を。
 甘やかな口づけに変えて、その唇に。


20140326,0327,0414,0526

*認識が違う。
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