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『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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*アラバスタでの対Mr.1戦後、石の呼吸を読める様になった辺りで

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 *****
      



 押し殺した気配を、感じ取れる様になってしまった。
 どんな悪態を吐かれようとも、どんなに足蹴にされようとも。
 コックの気配が手に取る様に分かってしまう。
 こいつは俺に、惚れている。
 押し殺して隠し果せていると、高を括るその胸中で、俺を。
 俺を組敷きたいのか俺に組敷かれたいのかは分からないが、そういう類いの。

 悪くない気分だ。

 どうせなら俺が組敷きたい。

 そこまで思って、だから高笑いしたい気分なのかと、それまで自分の思いに気付かなかった自分に苦笑する。
 気付いてしまったのだ、どうにかしたら良い。

 背を向けていたコックとの距離を、一息に詰める。
 振り向きざま突然現れた俺に、コックは目を剥いた。
 仰け反った頭に左手を、撓んだ腰に右手を添え、体を密着させる。

「何のつもりだ」
「てめえの望み通りだろ」
「俺が何を望んでるって?」
「てめえの胸に訊けよ」

 至近距離で交わされる言葉は、湿った呼気をも運ぶ。
 それが撫でた所から、肌が粟立つ様に思った。

「全部、俺の所為にしようって?」
 コックの中指が、俺のこめかみを擦った。
 存外厚く荒れた皮膚が障る。
 コックの眼光が強まり、障る。俺の気に障って止まない、だからこそ、組敷きたいと、望むのだと。痛感させる、その光。

「俺は俺の望む通り動く」
「へえ」
 コックの掌全体が、俺の頬を撫でる。
「お前が、これを望んでるのか」
 コックは不自然なポーズで、俺の手の甲を、それぞれ撫で上げた。
「全部俺の所為じゃ、てめえも業腹だろう?」
 俺は口角を上げて笑って見せる。同じ表情をして見せたコックが、掌に力を入れた。
「勿論俺だって、俺の望む通りに動くさ」
 更に密着する体。

 俺は俺の望む通りに。
 コックはコックの望む通りに。
 その結果が同じ事だと、知る。それは、喜び。


20140218,0219

*見聞色の萌芽ですよねぇ。
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