『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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出された料理を、あの頃と変わらぬ勢いで口に収めたゾロを、サンジは静かに見ていた。皿が空になってやっとその視線に気付いたゾロは、少しばつの悪そうな顔で言った。
「なんだよ」
カウンターを挟んだすぐそこで、サンジは穏やかに返答した。
「好きだったなぁ、と思って」
サンジがくすりと笑う。目尻の皺も、口元の皺も、見慣れないものなのにそれはそこに随分と馴染んでいて、流れた時の長さをゾロに思い知らせた。
サンジの居なかった、日々。
「過去形かよ」
「過去の話だ。あの頃、俺は確かにお前の事が好きで、好きで、好きで。…憎らしかった」
「そりゃ…、初耳だ」
「言えなかったな。俺も若かった」
「年食ったから、言えんのか」
「もう諦めたんだよ、いろいろと」
「何を」
「いろいろ、だ」
サンジの居なかった、日々。
それでも、サンジは常に、居た。それはたとえば、ゾロの生きる拠り所がくいなとの約束であったが故に、くいなが常にゾロと居たのと同じ事だ。
傍に居ようが居まいが、サンジと出会ってからこっち、ゾロは常にサンジに悪態を吐かれ、足蹴にされ、——奮い立たされて来た。
だからゾロは、野望に達し、くいなが居なくとも己が生きて行けるのだと分かった時、サンジの居るここを目指した。
飢えを満たし、餓えを癒す為に。
それが出来るのはただ一人、サンジだと、分かったから。
分かっていたのだ。馬鹿だと罵られ、反論したあの日から。ずっと。
「今は、どうだ」
「何が」
「好きか?」
「…ひょっとして、お前の事?」
「他に無ェだろ」
「今のお前の事ぁ、知らねぇよ」
少し厚ぼったい瞼が乗った、少し大きく、少し垂れた目を、少し見開いて、少し動かして。子供みたいな表情。そうかと思えば、どこか遠い所を見て紫煙を吐き出す。大人びた表情。昔と一緒だ。
「変わらねェよ」
ゾロの目元も口元も、サンジには見慣れないだろう皺が随分馴染んでそこにある。流れた時の長さはお互い様だ。それでも、あの日から、ずっと。
「お前の事が好きなまんまの、俺だ」
「そりゃ、初耳だ」
「若かったからな」
「諦めたのか」
「違う」
ゾロは立ち上がるとカウンターを回り込み、サンジのすぐ傍に立った。
「諦めねェ事にしたんだ」
ゾロの指がサンジの頬を滑り、頤を掴む。
流れた時を埋める様に、二人は口づけを交わした。
20130617,0621,20140129
*これがはじめてのちゅーだったらどうしよう(はげもえる)←
*お互い性欲処理だと思い込んで体は重ねていた、が、キスだけはしなかった、それはもう頑なに。とかでも…イイ!←
*自分で書いといてアホである。
*しかしおっさんはよいものである。よいのである。
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