『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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ゾロが、近い。
不可侵の領域があった筈だ。パーソナルスペースとかってものも、ある筈だ。
それでなくとも、こいつはそうそう他人にベタベタする奴じゃなかったと思うんだが?
「何考えてるクソマリモ邪魔だ退け」
ふと気を抜くと絡み付く勢いで近寄って来るゾロを、触れるか触れないかの所で牽制する。
すれば我に返った様に離れる、一旦は。そしてまたふらふらと近寄って来るのだ。
「チョッパー、人に張り付きたくなる病気ってのは、あるのか?」
「ゾロか?」
このところのゾロの奇行はクルー全員の知る所だ。
「そうだ。尋常じゃねぇだろ、あれ」
「ゾロにだって、人恋しい時もあるんじゃねえのか?」
「お前にも張り付いて来るか?」
「おれは人じゃねえ。トナカイだ!」
可愛らしく胸を張って的外れな事を言う船医の事は捨て置いた。
隣でそれを聞いていたウソップに訊く。
「お前にも張り付くか?あのマリモは」
「冗談はヤメテ下さい丁重にお断りさせてイタダキマス」
ウソップはその身をブルリと震わせた。
「俺もお断りなんだが」
「だから、人恋しいんだろ?」
「お前は人だろ、いくら世にも珍しい鼻してるからってよ」
「だから、恋しいんだろうよ」
何言ってんの。
俺はウソップの目を見た。睨んだ、んだろう、多分。ウソップが高速で後退ったから。
つられてチョッパーまで後退りやがった。
ナミさんロビンちゃんの傍には居ない。一安心。もし近寄る素振りでも見せた日には蹴り飛ばしてやるが。
そう思いながら一服つけていると、またゾロがふらふらと近寄って来た。
「何か用かよ」
我ながら地を這う様な声を出したものだ、ゾロは、は、と意識を浮上させて「何でもねぇ」と俺を素通りして船尾へ向かった。鍛錬でもするんだろう。
「俺なら、頭の一つも撫でてやるのにな」
不意に聞こえた声に驚いた。そこには、いつの間に居たのかルフィが、ぼんやりとゾロの背中を見詰めて居た。
「サンジも、抱き締めるくらいしてやれば良いのに」
「何?」
「何だったら俺が、サンジ抱き締めてやろうか?」
いつもの事ながらルフィの言う事は脈略が無い。意味を取り兼ねているうちに、俺はゴムの腕と脚でぐるぐる巻きになっていた。
振り返ったゾロが、ルフィと俺を変な顔で見たのが、見えた。
***
「お前のアプローチは身を結ばねぇなあ」
俺は、メインマストに寄り掛かりうっそりとキッチンを眺めるゾロに言った。粗方、仕込みの邪魔だと追い出されたのだろう。
「サンジ、気付いてもいねぇじゃねーか」
ゾロは溜息を吐いた。
「アプローチ、っつーか、別に、気付いて欲しい訳でもねぇよ」
「余計悪ィわ」
***
些細な事で、世界は変わる。がらりと一変する事も在るのだ、たとえば、針が一本落ちたくらいの事で。
実際には、菜箸が一本落ちたのだった、コックの手から。そんな些細なミスを、あいつでもするのだと、ぼんやりと思ったのだ、珍しい、と。
忌々し気に舌打ちをして、床の菜箸を拾う——脚は伸ばしたまま、腰を折って腕を伸ばして、その時覗いた項が、俺を射抜いた。
白かった。
以降、俺の視線はそこを離れない。惹き付けて、吸い付けようとする。俺は体ごと引き寄せられる。
そして、俺は「隙あらばサンジに引っ付こうとする奇行」をクルーから咎められ、当のサンジからは牽制される羽目に陥った。
20130628,0731,0809,0819
*手段を知らないゾロ、鈍感なサンジ、気付いてるウソップ、がどんだけ好きなんだ、っていう。
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