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『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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*ワンパターンだな、と我ながら思いますが。

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 俺が酒を飲む傍らで、コックは試作だか何かだかをしていた。ふんふんと小さく鼻歌紛いの音階やぶつぶつと小さく呪文の様な文字列が時折聞こえて来る。完全に俺の存在は意識の外だ。
 俺は自由に、俺のペースで酒を飲んでいた。邪魔にならないコックなら、別に居たって構わない。コックにしたって、邪魔をしない俺なら居ても構わないのだろう。意識の外にやってしまえる程度に。
 普段は寄ると触ると怒鳴り合い罵り合い手やら足やらが出る間柄のコックと、同じ空間に居て気に触らない。そんな静かな夜は、悪くない。寧ろ、積極的に享受したい様な。
 それは少し奇妙な事の様な気がして、何かその原因をコックに探せないかと観察をした。
 酒のアテが暴力コックの仕事姿ってのもな、と思わないでもない。しかしそれは、存外、悪くなかった。仕事をするコックの姿には、凛とした美しさがあった。

 酒瓶は空になった。そろそろ潮かと、頼みもしないのに出て来たつまみの皿を、その程度は、とコックの元に運ぶ。振り向いたコックの唇が、てらてらと艶を放っていた。
 それを。
 見逃してはいけない気がした。

 艶を奪う様に舐める。香辛料の効いた油の味。コックは目を瞠った。唇が徐に開く。怒鳴るか罵るか、いずれにせよ飛んで来るだろう蹴りに備えて丹田に力を込めたが、それらは一向に飛んでこなかった。
 ぽっかりと開いた口の中には赤い舌が見える。きっと怒鳴るか罵るかの言葉を探しているのだろうそれは、小刻みに畝って見える。
 それが。
 誘われている様に感じた。

 唇同士が触れる。舐め取れなかった油が俺の唇に付き、ぬるりとした感触を与える。それより早く侵入させた舌は、更なるぬめりと、体温を感知した。
 そして、蠢く肉を。
 コックの舌が、俺の舌に絡み付いてくる。
 それはとても奇妙な事だと思った。許諾で応じられるとは思わなかった。拒絶されるものとばかり。

 自分勝手に貪っていると、脇腹に軽い衝撃が走る。コックの膝頭だ。
 いつの間にかコックの頭部を這っていた手の力を弛める。
 あっさりと離れた熱は、大きな息継ぎをした。
「しつけェよ」
 荒い息で小さな声で。コックのそれは掠れていた。
 油だった唇のてかりは、唾液のそれに取って代わられている。いずれにせよ、艶だ。
 それを親指の腹で伸ばす。感じる弾力は、唇で感じた方がより良い。
「怒んねェのか」
「怒ってんだろ」
「しつこくなかったら、怒んねェのか」
「あー……まあ、別に、悪くねェ」
「そうか」
「そうだ」

 お互い悪くねェなら、積極的に享受する。
 俺はコックの舌を、唇を、貪っている。コックも、俺のそれを、同じ様に。
 それは奇妙な事だ。
 決してそれをする様な間柄ではないのに、享受している。
 歓びと、共に。



20131224
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