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『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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ロロノア ゾロ 様
 お誕生日おめでとうございます。お祝いの品です。どうぞお受け取り下さい。

*現代パラレル

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 *****
      



 ドラッグストアに入ったサンジは入口に積んであるカゴをゾロに渡して言った。
「お前財布にいくら入ってる?」
「三千円くらいじゃねぇの」
 サンジは溜息混じりに呟いた。
「あア?しけてんなァ」
「あァ?」
 ゾロは伝家の宝刀一撃必殺、眉間の皺を深くして鬼の形相で凄んだが、そんなもの、サンジにとっては暖簾に腕押し柳に風、効いた試しがない。サンジの睨みも同じ様な威力を持っているし、大体サンジに『男にビビる』なんて機能は付いていない。サンジが平伏すのはレディに対してだけだ。更に今、サンジはゾロの顔なぞ見ていない。気のない素振りで陳列棚を見遣り、店内を進んでいる。
 ゾロはカゴをぶらぶらさせながらその後を付いて行った。顔は凶悪なまま。
 店内の奥まった所で、サンジは目当てのものを見つけたのか立ち止まった。暫く数種類並ぶその商品を眺め、その内一つを手に取りゾロの持つカゴに放り込んだ。それを二度繰り返す。
 どご、ぽん、と音を立てた商品を、ゾロは呆然と見た。
「レジ、あっち」
 サンジが無表情に指し示す。ゾロがカゴを渡そうとすると、押し戻された。
「買って来い」
「あァ?」
 二度目の鬼の形相は、やはりサンジには何の打撃も与えない。
「俺、財布無ェもん」
「はァ?」
 ゾロは思わず眉間の皺を解いた。そして三度の鬼の形相。
「何で俺がてめぇのセックスライフをサポートしてやらなきゃならねンだ!」
 人目も憚らず怒鳴ったゾロだが、平日の午前中、人気の少ない時間帯で幸いその言を聞いた客は居なかった。店員が一人棚裏で、ぎょ、と目を剥いたのは、幸い彼らには見えなかった。
「良いから早く行け」
 横柄に命令して、サンジはすたすたとレジに歩みを進める。
「こっちだぜ?俺の後を来れば辿り着けるからな?」
 平素の迷子癖を揶揄されて、益々ゾロの眉間の皺は深くなった。
 ゾロが乱暴にカゴをレジカウンターに置くと、中の商品が跳ねた。ゾロはそのまま店外へと歩を進めたサンジの後ろ姿を睨んでいる。怯んだ店員はそれでも「いらっしゃいませ」と対応すると、バーコードを読み取り「1960円になります」と、商品を茶色い紙袋に入れてから店名入りビニル袋に入れた。ゾロが渋々財布から二千円を出すと、店員は40円とレシートを渡し商品を渡し「ありがとうございました」と頭を下げた。
 足音荒くゾロが店を出ると、サンジはそこで煙草を吹かしていた。ぬ、とゾロが袋を突き出すと、サンジはそれを手にする事なく歩き出した。
「おい!」
 どうして俺はこんなものに金を払ってこんなものを持って歩かねばならないのだ、サンジが今後抱く女の為のものを。
 憤懣遣る方無い。
 ゾロは理不尽を感じ、それでもサンジに付いて行く。

 忍ぶ恋は誠に悩ましい。
 どうしてこんな奴に、と己を恨んでも、落ちてしまった恋に抗えるものではない。
 
 ゾロがサンジの背中を見詰めながら歩いていると、行き着いたのは自分の部屋だった。
「鍵」
 簡潔に促され、ポケットから取り出した鍵を手渡す。先程受け取った40円が、鍵が出て行った所為で余裕の出来たポケットの中、ちゃり、と音を立てたのをゾロは耳障りに思った。扉は客である筈のサンジによって無遠慮に開けられ、その客は、ずかずかと室内に踏み込んだ。
 部屋の主は溜息を吐いて施錠する。
 サンジはゾロの手からビニル袋をひったくると、底を掴んで振った。
 紙袋から、箱入りのコンドームと、ローション——コンドームの隣に陳列された、つまりコンドームを使用するシーンで用いられる、が転がり出る。
「こんなもん俺に買わせて、てめぇどういうつもりだよ」
 改めて買わされた商品を見て、ゾロは更に深く溜息を吐いた。
「俺の、セックスライフじゃ無ェ。俺とお前の、だ」
「は?」
「お前どっち使いてぇ?」
「あ?」
「だから、入れんのと入れられんのと、どっちが良い?」
 サンジは包装のセロファンを剥きながら言った。ゾロには意味が飲み込めない。
「今から俺とお前でセックスすんだよ、どっちだ」
 右手にコンドーム、左手にローションを持ち、それをゾロの眼前に突き出してサンジは言った。反応の悪いゾロに少し苛々している。
「なん…で…」
 やっと絞り出したゾロの声は、掠れていた。
「お前今日誕生日だろ。プレゼントは俺、ってな」
 サンジは服を脱いでいく。
「あ、シャワーが先か?」
 サンジが上半身裸になった所で、ゾロはその腕を掴み怒鳴った。
「どういう事だ!説明しろ!」
 サンジはゾロをひたと見た。
「お前は俺が欲しいだろう?」
 どうしてそれを。
 ゾロは言えない言葉を飲み込む。男が一度忍ぶと決めたのだ、おいそれと表明など出来ない。
「俺はお前にくれてやっても構わない。だから」
 サンジは己を掴んでいない方のゾロの腕を掴んだ。
「欲しけりゃ掴め。要らなきゃ、——切り捨てろ」

 掌に感じる二の腕が、二の腕に感じる掌が、微かに震えている。

 互いに。

 ゾロは大きく息を吐くと、言った。
「貰う」
 サンジは口角を引き上げると「誕生日おめでと」と言い、その唇でゾロの唇を塞いだ。



20131004,1024,1107,1110

*コンドームはゾロが使いました。なんだったらローションもゾロです。
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