前から 2013/08/09__00:00

『後ろから』8月8日付　ゾロ視点

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「なあ…後ろ、から…」

　サンジは興奮と苦悶に歪んだ顔で、言う。
　その顔は、堪らなかった。俺が、そんな顔をさせている。他ならぬ、こいつに。

　どれだけ辛かろうと、最後には必ず善くしてやる。ちっとくらいは我慢しやがれ。
　傲慢だ？　嗤いたくば嗤え。

「駄目だ」

　愉悦をみすみす逃す程、俺はお人好しじゃない。お前とは違うんだ。
　青い目を濡らす涙が、多分に生理的なものだけではないとしても。
　全部、拭ってやるから。全て、俺が吸収してやるから。
　余さず俺に寄越せ。
　快楽も苦痛も。
　俺が与える。
　俺だけが。

　その実感を、その両腕で、俺に与えろ。
　縋れ。
　頼む。
　縋ってくれ。与えてくれ。
　俺に、実感を。お前の存在が、現実であると、知らしめてくれ。

　前から穿つ。
「顔が、見てえ」
　快楽が苦痛に勝る瞬間の、顔を。
　俺がお前に某か、与える事が出来るのだと、実感出来る瞬間を。

　臆病だ？　嗤いたくば嗤え。

　海の様なこいつに、俺は、溺れているのだ。
　せめて正面から、溺れていたいのだ。

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20130806

＊『後ろから』ときたら『前から』だろう、と勢いで書き殴り、何が言いたいか良く分からない感じに。まあ、事の最中ですし、論理性を求めちゃ駄目って事で…（取り敢えずゾロはサンジ君大好きだな、って事だ。←うわあ、適当！）