『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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新聞販売店を覗く。
居た。
「あの、来週一週間、新聞の取り置き、お願いしたいんですけど」
「はい。取り置き、ですね。月曜日の朝刊から日曜日までで良いですか?」
ノートに、メモをしながら。
「取置いた分は、再開時にお届けしますか?」
「はい、お願いします」
『月曜~日曜、お取り置き、翌月曜に配達』
意外と流暢なこの字は、あのメモのものと同じ字だ。
『受付:ロロノア』
へえ、ロロノアさん。
『メゾンオールブルー、302号室、サンジ様』
「え?」
迷い無く綴られた俺の個人情報に、思わず声が出た。
俺、名乗ったっけ? マンションと部屋番号、言ったっけ?
「え? …あ、部屋、302号室じゃありませんでしたっけ?」
「いや、合ってます」
合ってるけど。あのマンション、確か300世帯くらいあると思うんだけど。世間的なシェアから考えて、100世帯くらいは青海新聞だと思うんだけど。それだけの数、顔と名前と部屋を一致させるのって、結構難しいと思うんだけど。顔会わす機会なんて、月に一度の事なのに。
「…覚えてるんですか?」
「はい」
事も無げに言う。
「全世帯?」
「いや、まさか」
え?
「あ」
あ?
「いやあの、珍しいんで、その、あのマンション、単身者向けじゃないのに、若い男の人で、その、集金の時いつも居てくれるし、その、語呂合わせ的にも」
随分早口だ。珍しい、気がした。いつももっと、どっしり喋る人だと思ってた。知ってる訳じゃないのに。何か言い訳してるみたいな。
ん?
「語呂合わせ?」
「ええ、3、0、2、で、サ、ン、ジ、さんって」
「ああ」
ちょっと、拍子抜けした。気を張る必要がどこにあったのかは、知らないけれど。
そうだ。珍しいから。珍しいものは、記憶に残りやすい。他に特別な理由なんて、無い。有る筈が無い。
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