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『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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12月2日付『恋する剣豪』(そのちょっと前は12月26日付)の、ちょっと後

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「ナミてめえ、あいつに余計な事言ったろ?」
 ゾロは夕食時からこっち、ずっと居心地の悪い思いをしていた。
 ——サンジが面妖な面持ちでゾロをちらちらと窺うのだ。
「なんのことかしら〜?」
 酒瓶を傾けたナミは、どこ吹く風だ。

 ゾロとナミは、夕食後に甲板で酒を飲んでいた。
「ナミさんただ今おつまみを〜」
 と言ったサンジを止めたのは他ならぬナミだった。
「要らないわ。お酒だけあれば良いの。サンジ君は後片付けとか明日の仕込みとかあるでしょ?私たちの事は気にしなくていいから」
 と言って、酒瓶二本とゾロの耳を掴み、ラウンジを後にしたのだ。
「ナミさぁん…」
 素気無く拒絶されたサンジはこの上なく情けない声を上げ、この上なく情けない顔でゾロを見た。恐らく、常ならば、この上なく凶悪な顔で睨まれた筈だ。この上なく耳障りな悪態の一つも付いただろう。
 調子が出ない。あんなコックでは、どう対応したら良いのか分からない。
 それはゾロにとって、決して好ましい状態ではなかった。

「どういうつもりだよ?」
 ゾロは低い声で凄んだ。ナミは、そんなのちっとも怖くない、と思う。
「どうもこうも。キューピッドにでもなったげようかな、って」
「余計なお世話だ」
 ゾロはナミから酒瓶を一本奪い取ると、呷った。
「人の親切は素直に受けるものよ?」
「小さな親切大きなお世話、ってな」
「情けは人の為ならず、ってね」
 ゾロとナミの視線がかち合った。
「はっきりしないのは、性に合わないの」

「ひょっとして、…てめえもコックが好きなのか」
「あんた今、『も』って言ったわね」
 ゾロはあからさまに『しまった』という顔をしたので、ナミはけらけら笑った。
「違うわよ。安心しなさい。あ、ついでに『あんたを』好きってんでも無いから。安心して?」
「…心配なんてしてねえよ」
「賢明ね」

 酒はするする消費される。
 あっという間に空になった瓶をゾロから奪い取り、自分の空瓶と軽く打ち合わせ、ナミはからんと軽い音をさせた。
「敵は手強いけど」
 魔女の如き笑顔でゾロに言った。
「努力する価値はあると思うわよ?」
 ナミは空瓶を振り回しながらラウンジの前まで行き、扉を開けると放り投げた。
「ごちそうさま。おやすみ、サンジ君」
 と言ったのが聞こえたきり、瓶の割れる音はしなかったから、サンジが上手く受け取ったのだろう。ラウンジに一人きりで居る、サンジが。
 ラウンジから女部屋に向かったナミが言った。
「私は、寝るわ。おやすみ、ゾロ」

 キューピッド、ってのは、魔女、って意味だったか、とゾロは考えた。
 価値のあるらしい努力、ってやつをしてみようかとラウンジに足を向けてしまうのは、魔女に魔法をかけられたからだろうか、と。



20121128,20130107,0122,0123

 ゾロとナミは、駄目な兄としっかり者の妹で仲良し、だと良いと思います。
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