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『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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12月2日付『恋する剣豪』の、ちょっと前

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「恋でもしてるみたい」
 ゾロが、海を眺めて溜息など吐いているから、ちょっとからかうつもりで声を掛けた。
「してんだよ」
「え」
 ぼそりと返った声に、思わず声が出る。
 自分から振っておいてなんだが、心底驚いた。『ゾロ』と『恋』は、容易には結びつかない単語だ。
「何だよ、おかしいかよ」
 おかしいわよ。
 そう言いたい気持ちは山々だが、我慢した。ゾロの顔が、傷付いている様だったから。
 恋なんて、基本的に楽しいものだろうに、そんな顔。
 驚いたのは事実だけれど、なんとなく感じていたもやもやが、すっと晴れた様な気がした。つまり、そういう事。薄々と感じていたアレは、思い違いではなかったらしい。

「望みは薄いわよね」
 傷口に塩を塗込むつもりは無いが、つい言ってしまった。
「ああ」
 素直に認めるから、やはりそういう事なのだろう。
「無類の女好きですもんね」
「ああ…ああ?」
 ビンゴ。
 にやりと笑ってやると、ゾロが慌てた顔をする。なによ今更。
「お前、知って…?」
「知らない。私はなーんにも、知らない。でも…」
 ゾロは固唾を呑んで続きを待っている。
「分かってる」
 ゾロの変な顔は、見物だ。
「多分みーんな、分かってる」
 更なるゾロの変な顔は、まあ、見られたもんじゃない。
「そ、それ、は、その…」
 言いたい事は分かる。言葉に出来ないのも。だから言ってやる。正直な所見を。
「サンジ君くらいのものよ、分かってないのは」
 ゾロは息を詰めた。

 大体あからさまなのだ、ゾロの、サンジ君に対する突っ掛かり方は。
 だから、本当は、望みが薄いだなんて、思ってない。
 大体あからさまなのだ、サンジ君の、ゾロに対する突っ掛かり方は。
 そんな事も分からない様では、その意味で『望みが薄い』。

「しっかりしてよね」
 ばしん、と綺麗な筋肉の付いた背中を叩けば、ゾロは、よろり、と傾いた。普段なら微動だにしないだろうに。
 ちょっとだけ、キューピッドをしてあげたい気分になった。



20121214,1225
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