『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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「恋でもしてるみたい」
ゾロが、海を眺めて溜息など吐いているから、ちょっとからかうつもりで声を掛けた。
「してんだよ」
「え」
ぼそりと返った声に、思わず声が出る。
自分から振っておいてなんだが、心底驚いた。『ゾロ』と『恋』は、容易には結びつかない単語だ。
「何だよ、おかしいかよ」
おかしいわよ。
そう言いたい気持ちは山々だが、我慢した。ゾロの顔が、傷付いている様だったから。
恋なんて、基本的に楽しいものだろうに、そんな顔。
驚いたのは事実だけれど、なんとなく感じていたもやもやが、すっと晴れた様な気がした。つまり、そういう事。薄々と感じていたアレは、思い違いではなかったらしい。
「望みは薄いわよね」
傷口に塩を塗込むつもりは無いが、つい言ってしまった。
「ああ」
素直に認めるから、やはりそういう事なのだろう。
「無類の女好きですもんね」
「ああ…ああ?」
ビンゴ。
にやりと笑ってやると、ゾロが慌てた顔をする。なによ今更。
「お前、知って…?」
「知らない。私はなーんにも、知らない。でも…」
ゾロは固唾を呑んで続きを待っている。
「分かってる」
ゾロの変な顔は、見物だ。
「多分みーんな、分かってる」
更なるゾロの変な顔は、まあ、見られたもんじゃない。
「そ、それ、は、その…」
言いたい事は分かる。言葉に出来ないのも。だから言ってやる。正直な所見を。
「サンジ君くらいのものよ、分かってないのは」
ゾロは息を詰めた。
大体あからさまなのだ、ゾロの、サンジ君に対する突っ掛かり方は。
だから、本当は、望みが薄いだなんて、思ってない。
大体あからさまなのだ、サンジ君の、ゾロに対する突っ掛かり方は。
そんな事も分からない様では、その意味で『望みが薄い』。
「しっかりしてよね」
ばしん、と綺麗な筋肉の付いた背中を叩けば、ゾロは、よろり、と傾いた。普段なら微動だにしないだろうに。
ちょっとだけ、キューピッドをしてあげたい気分になった。
20121214,1225
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