『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
*****
一生の不覚。
まさか、気付かれるなんて。
バレないと思っていた。いつも起こしたって起きやしないんだから。ちょっとくらいなら、大丈夫だと思っていた。ちょっとくらい、ひっついて寝たって大丈夫だと。俺は誰よりも遅く寝て、誰よりも早く起きるんだから、誰にも気付かれやしないと。
完全に酔っ払いの思考だ。
最初は、出来心だった。
どうにも遣る瀬無くて酒を飲み、いい感じに酔っ払って、きっと箍が外れていた。
ハンモックで眠るゾロの懐が、丁度自分を誘っている様に見えたのだ。
ここに収まったら、丁度良い。
そんな誘惑に抗えなかった。全く以て、酔っぱらいの思考は出鱈目だ。
酔っ払い独特の衝動で以てこっそりそこに忍び込み、期待通りの温もりに満足した。
早朝に目を覚まし、己がゾロの懐に居るのを知覚して、ぞっとした。状況を理解すると溜息が出た。
誰にも気付かれちゃなんねえ。
静かに身を起こして、ハンモックを出た。途端に体が寒くて、ぞっとした。随分と深酒をした筈なのにすっきりとしていたのにも、ぞっとした。
二度目も、出来心だった。
やはり遣る瀬無くて酒を飲み、やはり酔っ払って、丁度良さそうなゾロの懐に誘われた。
酔っ払いは誘惑に抗えない。ましてや心地良さを知っている。益々以て抗えない。
そして目を覚まし、やはりぞっとした。
三度目以降は、意図的だった。
心地良さを求めて、酒を飲み酔っ払って誘惑を見出だした。
そうまでしておいて「酔っ払っているから」との言い訳を用意せずには出来ない自分に、溜息が出た。
何度も繰り返し、その度ぞっとし、溜息を吐き、それでも抗えなかった。
誰にも気付かれないのなら。胸の内にそっと灯ったささやかな欲を、小さく叶えるくらい良いじゃないか。
全く、酔っ払いの自己弁護は始末に負えない。
油断していたのだ。罰が当たった。
寝ている筈のゾロに体を拘束されて初めて、それが如何に危険な行動だったかに気付いた。
やはり酔っ払いの思考など、当てにしてはならないのだ。
「友情の一環だ」などと言い訳をしたら、「俺と友情を育みたいのか」と問われた。
ゾロとの友情。
それはとても魅力的な響きで、しかし断固拒否したいと思った。
酔っ払っていたから。
だから、あんなことを言えたのだ。
「友情なんかじゃヤダ」
などと。
本音を。
きっとゾロも酔っ払っていたのだろう。いつもどれだけ飲んでも平然としているから、酔わない体質なのかとてっきり勘違いしていたが、どうやら表に出ないだけで、思考や行動はしっかり酔っ払いそのものになるらしい。
そうじゃなけりゃ、有り得ないだろう? ゾロと俺の気が合うなんて事。ゾロが、俺と同じ事を望んでいるだなんて事。
拘束されたと思っていたが、どうやらそれは抱擁で、唇が触れたと思ったのは、どうやら口づけで、どうやらゾロは俺より余程自覚的なのではないかと思ったのは、ゾロの手が俺の肌を執拗に撫で始めてからで、俺はもうそれが酔っ払い故の自分に都合のいい解釈だとしても構わない気になっていた。
ゾロが酔っ払っているのだとしても、その手の温もりは本物だ。
ハンモックであれこれするのは無茶が過ぎると知るのは、大きく動いた拍子に仲良く二人揃ってハンモックから投げ出された後だ。
全く、酔っ払いの思考など当てにならない。
投げ出された床の上で、思う存分動いた。
20121205-
酔っ払いだから思考もぐるぐるしています。
分かり辛いよサンジ君!(言い掛かり)
PR
この記事にコメントする
カレンダー
アーカイブ
ブログ内検索
最新記事
プロフィール
HN:
utae
性別:
女性
手書きブログ
リンク
忍者カウンター
忍者アナライズ
P R