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『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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昨日の689話感想でお尻にくっつけた、どうでもいい予想をちょっと膨らませました。
(688話やそれ以前のネタバレ及び今後の展開捏造を含みます。)

タイトルは完全に、ノリ、です。深い意味は無い。
あれ?これ…ゾロたし…かな…?いやいや、そんなつもりは無いんだ。無いんだよ。

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 *****
      



 ゾロに担がれ、ゾロの刀に現を抜かしている刀マニアのたしぎは、淀み無く歩むゾロが稀代の方向音痴だとは露程も知らないのだった。
 ふと気付いてみると、さっきから同じ所をぐるぐる回っているだけなのではないだろうか、との疑念が湧く。デジャブにしては鮮明な背景の記憶がたしぎに口を開かせた。
「ロロノア? さっきもここ通りませんでしたか?」
「そうか?」
 ゾロは全く淀み無くそう言い、右へ折れ左へ折れ、結局同じ所に戻る。今度こそたしぎは、ゾロが道を知らないのだと確信した。
 そうこうするうち、たしぎは恐ろしいものを見た。即ち、辺りに充満し始めた『シノクニ』らしきガスを。

「ロロノア! ついて来なさい!」
 たしぎはゾロの肩から飛び降り、状況を一瞬で判断すると走り出した。
 ゾロは舌打ちをしつつもそれに従った。ゾロに方向音痴の自覚は無いが、人について行くのが最も近道である事はこれまでの人生で学習済みである。全く納得のいかない事ではあるけれど。誠に遺憾ではあるけれど、このガスに飲み込まれたら終わりである事もまた、学習済みである。
 そして前を走る女が、それに心を痛めている事もまた、ゾロは知っていた。

 研究所内を走り抜け、何とかガスから逃げ果せたゾロとたしぎは、一味と合流した。
 そこでは、G-5の面々を従え恐るべき統率力を発揮したサンジを中心として、R-66扉の向こうへと子供達の誘導、避難が行われていた。

「てめぇ、遅いんだよっ」
 子供達を誘導しつつ、サンジが怒鳴る。
「道が分かりずれぇ」
 子供達の尻を叩きつつしれっと言うゾロに、サンジがまた怒鳴った。
「一本道だっ!」
 全くこれだから自覚のない迷子は、とか、たしぎちゃんを危ない目に遭わせやがって、とか、サンジは猶もぶつぶつ呟いている。ゾロはそれには相手をせず、そっとたしぎの様子を窺った。

「お前が付いてて何やってる!」
 そこには、スモーカーに叱責されて小さくなっているたしぎの姿があった。
「すいませんっ!」
 勢いよく頭を下げたたしぎは、勢いついでに眼鏡を飛ばしていた。

「ぷっ」
 思わず吹き出したゾロを、たしぎが睨む。両頬を下膨れに膨らませて、下唇を噛み締めて。それを見たゾロは益々顔の笑みを深くする。

 ガキだ。まるっきり。

「何余所見してやがる! 早くしろっ!」
 猶も怒鳴るスモーカーに
「はいっ!」
 と返事をしたたしぎは、瞬時に海軍大佐の顔に戻り、子供達の誘導に専念した。

 子供達を全て船に乗せ、全員の無事を確認すると、殿を務めたゾロとたしぎはR-66扉を外から閉め、サニー号に飛び乗った。

「ロロノアが方向音痴だなんて知りませんでした! 私が居なかったら、あなたガスに飲み込まれてましたよ! 死んでましたね!」
 先程笑われた事を思い出したたしぎはゾロに突っかかり、自分の言葉に自分で傷付いた顔をした。
 ゾロはそれに気付き、しかし気付かない振りをした。
「結局助かったじゃねえか」
 たしぎは、気付かない振りをされた事に気付いた。けれど気付かない振りをした。
「私が誘導したからです! これで…チャラですからね!」

「手柄なんて要らないんですよ…」
 きっ、と船尾からガスに飲み込まれたパンクハザードを見て、たしぎは呟いた。

 勝ち気な女だ。
 そうでなければ、海軍大佐になどなれないのだろう。
 負けず嫌いで、剣を愛していて、一本筋の通った、自らが女である事を厭う女。

 ゾロは、そこにくいなの成長した姿を見て、ほんの少し目を細めた。
 そして、そんな自分を、くっ、と喉の奥で嗤った。



20121126-

 どうにもたしぎちゃんがイヤな子の様な書き方になってしまって遺憾なのですが。
(私、たしぎちゃん好きなんですよ。って何のフォローにもなってませんね。)
 すっかりバレていると思いますが、私、くいなちゃんも好きなんですよ。
 くいなちゃんがあの時死ななかったら、ゾロはくいなちゃんに恋をしていたと、それは半ば信じてる。
 そうなるとゾロはあれほど強い野望を抱く事無く、鷹の目を探して海に出る事も無く、迷子になってルフィと出会って海賊になる事も無かっただろう(そしてサンジと出会う事無く、サンジと恋に落ちる事無く、…ってそれは今関係無いので置いておくとして)、つまりくいなちゃんは『ONE PIECE』にとって、死ぬ為に登場させられた子であって、私はそれに酷く同情的です。
 そのくいなちゃんの『パクリ女』として登場したたしぎちゃんは、女である事を厭いながら成長した女剣士として、その解をゾロに提示する為の存在であり…云々と色々考えてしまうのですが、尽きず纏まらず。
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