『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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15
「ろろろあ、や、ロロ、ノ、アさん…」
何だその舌っ足らず。
確かに俺の苗字は、言い辛い。
軽く苦笑して、下の名前を告げる。下の名前で呼ぶ許可を与える。与える? 偉そうに。本当は「呼んで欲しい」と思ったくせに。家主が俺の名前を呼ぼうとした、それだけで高揚したくせに。
綺麗に「ゾロ」と俺の名を呼んだ家主は、敬語じゃなくて良い、と言った。
それじゃあまるで、親しくしたいみたいだ。
頬が、弛んだのを自覚した。変に思われなかっただろうか。
滞りなく集金業務を終え、次に会うのは恐らく一ヶ月後。
「じゃあ、また来月、な。サンジ、さん」
暇を告げると、家主は目を細め、笑ったのか怒ったのか判別がつかない表情で言った。
「サンジ。」
俺にも呼び捨てを許可するのか。
「…サンジ」
「じゃあな、ゾロ」
甚く満足げな家主は、ドアを閉める際に手を振るというサービス付きで俺を送り出した。
俺は流石に手は振れなくて、片手を軽く上げる事で応えた。
これをどう考えたら良いのか。
放っておけば浮き立ってしまう気持ちを、どうすれば良いのか。
「ゾロ」
家主の声で呼ばれた名前。
「サンジ」
呼ぶ事を許可された名前。
浮き立つに任せておいて、良いのだろうか。
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