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『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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*680話以降のネタバレを含む、パンクハザード編終了時捏造

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 宴ともなれば、サンジに休息は無い。サンジを『アニキ』と慕うG-5の面々をフルにこき使って料理を提供し、その料理で海軍内に『黒足のサンジ』ファンはますます増えた。
 船長が満足すれば、宴は終わりだ。G-5の面々に滂沱の涙と共に別れを惜しまれたサンジは、こっそりとなされた、たしぎからの呼び出しに応じた。

「黒足、私、…」
 サンジは、少しだけ、後悔した。自分の信念が、時として人を傷つける、と。
 自分に向けられる女の子のこんな目は、遺憾ながら久しく見ては居なかったけれども、とてもとても嬉しいものだ。ましてやこんなカワイコさんのものならば。けれど、けれど。
「ごめんね、たしぎちゃん。俺は、海賊だから」
「分かってます、でも、私、」
 受け入れられる事が無いと分かっている言葉は、宙に浮いた。
 とても穏やかなのに、きっぱりとした拒絶。
 たしぎにも、分かっている。
 私は、背中の正義を、脱げない。
 黒足に、海賊をやめさせる事など、出来ない。私には。

 船は行く。

「良かったのかよ? 滅多に無いだろ、女にもてるなんて」
 静かにサンジの隣に立ったゾロが、ちょっとだけからかう様に言った。
 サンジは静かに煙草に火をつけた。
「あの子は、正義を背負ってるのが、似合ってるよ」
 随分遠くになってしまった島影を、見る。まだそこに居る筈の彼女を見る様に。最後、大きな瞳に湛えた涙を零さない様に瞼を閉じた彼女を。拭ってやれなかった涙を。
「俺は、海賊だ」
 サンジの、遠くを見る横顔に、ゾロは言った。
「ちょっとだけなら、泣いても良いぞ」
「馬鹿言うな。振ったのは、俺だぜ?」
 そう言うサンジの眉は、悔恨に歪んでいる。
 ゾロは、小さく息を吐いた。
「皆には内緒にしてやる。どうせあの女の為に、泣くんだろ?」
 サンジは、小さく息を呑んだ。
「お前は、こういう時ばっか聡いンだなァ」
 サンジはゾロの胸に頭の先をちょこんと付けた。
「…ヤな奴」
 そう呟いて、ちょっとだけ、泣いた。



20121029-

 まさかのサンたし。ゾロサンだけど。
「あの子は正義を背負ってるのが似合ってる」って思い付いた時、「ふおーっ」ってなった。(馬鹿。)

 たしぎちゃんは、どれだけ海軍に失望しても、海軍を離れないだろうと思うんだ。きっと、自分が変える、って思うだろう。スモやんもそうだろう。もっと偉くおなり。

 まあ絶対に無い訳ですけれども。『サンジ←たしぎ』なんて。(冒頭に記述した様な事は、あるんじゃないかと半ば信じてる。)


おまけ

「サンジーっ! めしーっ!」
 ルフィの大声が聞こえた。
「今まで食ってたろ」
 サンジは苦笑を漏らし、ゾロの胸から頭を離した。ちょっぴり出た涙は、疾うに乾いた。
 黙って胸を貸していたゾロは、どことなく柔らかい目でサンジを見ている。
(コイツは、ホントに。)
 胸のくすぐったさに耐えきれず、サンジは下唇を引っぱって「ヴィー」と言ってやった。 
 途端にゾロの眉は、不機嫌に歪む。
(ホントに、コイツは。)
 分かってんのかナ。本当の理由は、海軍と海賊、ってトコには無いって事を。

 サンジはけらけら笑うと、船首に向かって叫んだ。
「待ってろクソゴムっ!」

 船は行く。次の冒険へ。



 しっとりと終わらせたかったので本編には組み込めなかったけど、アホですげー可愛いからやらせたかった『下唇を引っぱって、ヴィー』。ホントにアホ。愛おしい。
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