おべんともって 2013/06/27__00:00

＊現代パラレル
＊高校二年生×高校一年生
＊サンゾロ（にょた）ご注意！

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「良いねえお兄さん。彼女の手作り弁当！」
「俺らにもちょっと分けてよ」
「ついでに彼女も、ちょっと分けて？」
　ぎゃはははは
　下卑た笑いが辺りに響く。

　長閑な日曜の真っ昼間。スワンボートの浮かぶ湖が売りの公園、その湖を臨むベンチで、一組のカップルが弁当を広げていた。
　そこに現れたのが、絵に描いた様なチンピラ風情。見た目に違わず頭も悪いらしい。

　高校生くらいの、一見ひょろっとした優男と、大柄で一見強面だが良く見れば美人の取り合わせ。それでなくても多勢に無勢だ、どうにでも出来ると思ったんだろう。全く以て頭が悪い。

　先ず、リーダー格の男の顔に、黒い靴がめり込んだ。
　唖然とした仲間内で最も早く我に返った二番手辺りが女を押さえに掛かると、その男は宙を飛んだ。
　その他大勢は「ぐえっ」という呻き声と共に聞こえたどさりという落下音で我に返ったかと思うと、直ぐさま男の脚によって地に沈んだ。或いは、女の腕によって投げ飛ばされた。

　瞬く間に、チンピラ風情は全員大地と懇ろになった。
「ゾ…、別んとこ行こうか」
　男が弁当を片付けて言う。
　女はリーダー格が沈む地にしゃがみ、言った。
「彼氏の手作り弁当だ。分けてなんかやらねえよ」

「ゾ…もー、そんな格好でしゃがんじゃダメだって！」
　男が慌てて女の手を引っ張り立たせる。
「なんだよ」
「パンツ見えちゃうでしょ！」
　ぷりぷりと怒る男に、女は訊いた。
「なんで名前、途中で止めんだよ」
「あいつらに名前聞かせてやるの、勿体無いだろ」

　女は短めのデニムスカートの裾を気にしながら、頬を染めつつ男の手を握った。男はそれを眩しい目で見て微笑んでいる。

　チンピラ風情に迷惑していた善良な市民は、長閑な日曜の公園を取り戻した金髪と緑髪のカップルに、当てられながらも心の中で拍手喝采を送ったとか。

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20130403,0624,0625

＊3月14日から20日まで連載した『はつこいのきみ』の二人です。

＊ゾロは幼い頃より剣道を嗜んでいます。通っている道場では合気道も教えています。筋が良く体力が有りのめり込むタイプなので強いよきっと。デートに竹刀持参する程無粋ではないので、今回は合気道で応戦しました。チンピラ風情が鉄パイプでも持ってたら奪って使用したかも知れません、確実に傷害事件になりますね、過剰防衛。良かったね、チンピラ風情が手ぶらで。お互い。あーでも剣道精神に反するのでやらないかもな。
＊サンジは幼い頃より気性が荒く口より先に手が出る、と言うか足が出る養父の足技に応戦してきた為、相当の使い手です。足使いと言えば良いのか。見た目が優男なのでそうとは思われず、見た目が派手なので絡まれ易い。その為実戦経験も豊富です。わざわざ野郎相手に絡んで行く趣味は無く、レディ相手に狼藉を働く事は決して無いのであくまで防戦ですが、野郎相手ならまず負けない。料理もコックである養父に鍛えられましたので、玄人はだしです。