さみしいなにかをかく #5 2017/02/10__00:00

お題お借りしました。854話までを踏まえた、鬱々としたサンジのポエムなので閲覧は自己責任でお願いします。『蝶々』

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　あか、みどり、だいだい、きいろ。ももいろ、むらさき、みずいろ、しろとくろ。

　色とりどりの蝶が、飛んでいる。奴らが自由に飛ぶ姿を眺めるのが好きだった。まだ一緒に飛んでいたかったけれど。
　あおい蝶はもう飛べないから、ここでさようならをしよう。邪魔になりたくないんだ。

　奴らの体の一部はおれが作った料理でできている。料理はおれの魂。だから、おれは奴らの体の一部。8匹の蝶はおれ。
　憧れの海にだって、底はあるだろう。底はこの星のどこにも続いている。このままずっと沈んでいけば、いつかそこに辿り着ける。
　それでいい。それが最善だ。

　だいだいの蝶が、おれの頬を叩いた。あかい蝶は追っ払うおれの手を無視して、腹を空かせている。他の奴らは？
　頼むから、無事に飛んで行ってくれ。おれはここで、さようなら。

　奴らは恩人だ。おかげで楽しい日々だった。蛹になる前に死んでいる筈だったんだ。短くても飛べただけめっけもんだ。奴らが自由に飛ぶ為に、おれができる最善の恩返し。

　さようなら。よい旅を。

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20170208,0209

utaeさんは夕方に、水族館の深海の水槽の前で目の前のきみが8匹の蝶になって消え失せたことの話をしてください。
#さみしいなにかをかく
https://shindanmaker.com/595943

＊お題があんまりにもあんまりで、あんまり沿ってないんだけど、辛気臭いサンジのポエムだと思ったの。
　9匹で一緒に飛んでください。