キスばかり 2015/11/06__00:00

＊ゾロ誕に寄せてポエムってたら、相応しくなくなっちゃったので先出し

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　キスばかり、している。

　物陰で、クルーの目を盗んで。
　夜には、星の目も気にせずに。

　ゾロは俺の髪を掻き回す。両手で耳の脇から指を滑らせ、丸みを確かめる様に撫で回す。
　俺はゾロの腰を撫でる。腰骨に置いた両手を背中に滑らせ、触感を堪能して引き寄せる。

　キスばかり、している。

　唇の弾力を、舌の動き方を。楽しんで。
　口内の熱さを、唾液の味を。味わって。

　こいつじゃなけりゃ駄目だとか、そういう事じゃない。
　選択肢は他に無い。互いに都合良い相手。それだけの。

　キスばかり、している。

「俺にやれるもんで、お前が欲しいもんって、ないの」
　キスの合間に聞いてみた。
「お前にしかどうにか出来ないもんなら、あるけどな」
　キスの合間に答えられた。

「欲しいなら、言ってみたら」
　それが何か、知っているような。
「覚悟が出来たら、その時に」
　それが何か、知ってしまったら。

　全て終わってしまいそうな気がして。
　終わらせなければならない気がして。

　覚悟なぞ、してくれるな。


　キスばかり、していた。

　覚悟なぞ、ついぞせずに。

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20151105