『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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下拵えも一段落し、休憩しようとキャビンを出た。そこを、待ち構えていたかの様なクソマリモに手首を捕えられる。
「なんだよ」
怒気も露に言ってやれば、ゾロは少し困ったような顔で動きを止めた。
いかんな、別に怒る様な事じゃない。戯れ付いたって許される間柄だ。ただ少し、時と場所を考えて欲しいだけで。
表情を緩めると、ゾロは握ったままだった俺の手首を引き、自分の口元に運んだ。すん、とひとつ鼻を鳴らす。
「お前の手、なんか甘い匂いがするな」
力を抜いた、しかし俺の手首は離さないゾロの手ごと自分の手を取り戻し、匂いを嗅ぐ。直前の作業を思い返せば、明らかだった。
「醤油だ」
「しょうゆ…?」
はて、醤油はイーストではメジャーな調味料だと思ったが。こいつの故郷は醤油も流通しない田舎なのかも知れない。
「ソイソース」
「醤油くらい知ってるわ!」
言い換えてやったというのに、ゾロはぐわっと牙を剥いた。
「醤油はしょっぱいだろ」
「あー、じゃあ酒、かな」
酒と醤油を海獣の肉に揉み込んだ。今夜は竜田揚げだ。
「酒は苦いか辛いだろう、なんで甘いんだ」
ゾロは依然釈然としない様子だ。しかし触った食材は肉と酒と醤油のみ。間違ってもポートワインなど使っていない。それにしたって洗浄済みだ。
「じゃあ、お前の鼻がおかしいんだよ」
ゾロはむうと口をへの字に曲げてから、また俺の手を嗅ぎ回る。そこに情欲の色は無く、全く子供染みた仕草だ。さしもの魔獣も、昼日中、衆目の中で淫行に及ぶ気は無いらしい。なにより。
待て、の出来る良い子には、ちょっとしたご褒美を。繋がれたままの手首をぐいと引き、近付いた耳に吹き込む。
「夜にはもっと、甘いもん、食わせてやるよ」
俄に赤くなった耳に唇を軽く触れさせ、手首を取り戻す。
ニンニクも追加して、唐揚げにしちまおうかなあ。あらぬ期待なんかを込めて、まだ発表前だった夕食のメニューは密かに変更された。
結果として、ちょっとした思いつきは、墓穴を掘る事になった。ニンニクなんかに頼らずとも旺盛な精力に、翌朝の俺はぼろぼろだった。
「お前はどこもかしこも甘いな」
手と言わず、あらゆる所を嗅ぎ回ったゾロの一言が脳内に谺し、俺自身を一層甘く痺れさせている。
20150905,1009
*純情ゾロを弄ぶ小悪魔サンジ、返り討ちにあうの巻
*醤油に甘味を感じてもおかしくはないんですけどね
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