『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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「俺、一番な?」
甲板で胡座をかいていたら、ルフィがやって来て、そう宣言した。くるりと同じ方向を向き、すとんと俺の胡座の上に腰を下ろす。
「何やってんだ?」
「ゾロの上に座ってる」
「…だから、何で」
「まあいいじゃねぇか。気にすんな」
別に構わないが、どうして俺はルフィの後頭部の匂いを嗅がなきゃならないんだ。お日様の、匂い。
「次、おれー」
ウソップの手を引いてやって来たチョッパーが言う。
「おー、いいぞ」
そういったルフィはぴょんと立ち上がり、俺の胡座の上をチョッパーに譲った。
「俺の膝だぞ?」
いつも毛繕いするみたいに項の辺りに手を伸ばしたら、ぶほん、とチョッパーがでかく変身した。
「うぉ、重ぇ」
人型になったら俺よりでかいチョッパーだ。この重さの追加はどこからやって来るのだ?質量保存の法則とかってのは、何かの冗談か。
いつものマスコット姿に戻って、チョッパーは俺の膝を下りた。そしてウソップに言う。
「ほら、ウソップも」
「あー。うん」
そう言ってウソップは、おずおずと俺の膝に座った。
「何やってんだ?」
俺はルフィへの質問と同じ質問をした。少しはましな返答があるかも知れない。
「何だろうな?」
同じ様なものだった。
「次は私よ」
「お前もかよ」
「嬉しいでしょ」
「アホ言え」
軽口を叩きながらナミが座る。妙な気分だ。
一緒にやって来たロビンと交代する。
「ちょっと我慢してね」
「お前もかよ」
ナミよりは多少重く、多少大きい。やはり妙な気分。
無言でやって来たフランキーが、無言でそこを退く様に、とロビンを促した。
「そりゃいくらなんでも無理じゃねぇか?」
「俺もそう思う。が、お前なら平気だろ」
俺の視界はフランキーの背中で覆われた。
まあ、座られた時と立ち上がられた時の負荷を除けば、大した事は無かった。
「次は私」
細い背中に視界を遮られた。但し軽い。この軽さであの剣を振るうって事はどういう事だ。
クルー全員でグルになって、何かを企んでいるのだろう事だけは分かった。
そうなると、一人足りない。
「待ってたか?」
来た。
「誰が待つか」
「だよなぁ」
「これは誰の差し金なんだ?」
俺の膝に腰掛けたコックに、訊く。
質問に答えず紫煙を吐いたコックは、ゆっくり背中を俺に預けた。
「誰が、一番心地良かった?」
「お前」
背中が揺れる。
「って、言って欲しいか?」
「ばーか」
腕を回すと、その痩身はすっぽりと納まってしまう。ぎゅうと抱き締めれば、存外しっかりした体躯だ。
「今日はさ、お前の誕生日なんだって」
「へえ」
「誕生日ってのは、お祝いされる日なんだってよ」
「へえ。膝の上に乗るのが、祝いか」
「みんな、お前の事が好きなんだよ」
「みんな?」
「そう。みんな」
コックが俺の膝から退いた。
「おめでとう」
そう言って、コックは軽く、唇を合わせた。
20130506,0508,0509
*あの世界では、誕生日は特別な意味を持たないんじゃないかと思っているんですけども。(正月にみんな一斉に歳をとった昔の日本の様に)
*誕生日にクルーが代わる代わるやって来て、ってのは既視感があるんですが…無意識にパクってたらどうしよう…(そんなつもりはないのです、と誰へ向けているのか分からない言い訳)
*一年半前に書いたものですが、書いた時は「半年早い」と思い、去年の誕生日には書いた事を忘れていて、今年は思い出したので(本当は何も思い付かなかったから)…
*今年もゾロの誕生日を祝えて嬉しいです。
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