『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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ソファで寝て、おそらく一時間程。男部屋は鼾と歯軋りと寝言が夜にとけている。安らかな眠りに満たされた空間に、不穏な空気が忍び込んだ。不穏ではあるけれど、慣れた気配だ。意識は眠りと覚醒の狭間に浮かぶ。
ぎし、とソファが軋む音が、熱が覆い被さると同時に腰の辺りから微かに聞こえた。
薄らと目を開ける。呼吸が荒くなるのを押し殺しているゾロが、真剣な目で俺を見下ろしていた。
耳のすぐ側でも、ぎし、と軋む音がして、ゾロの顔が緩りと近付いて来た。
「なに」
静かに問うと、ゾロの顔は俺の首筋に落ちた。
俺の腰の両脇に膝をつき、俺の顔の両脇に手をついて、俺の首筋に頭を落とす。不自然な姿勢のまま、ゾロの呼吸は次第に荒くなる。熱い息が首筋をくすぐる。やがて、おずおずとした唇を、肌に感じた。緩く滑って行く熱に、思わず声が漏れた。
「ん、…は、ン…」
不埒な真似をしている自覚はある。はっきりと、とまではいかずとも、覚醒したと知れた時から、飛んでくるだろう脚を警戒した。しかし、耳に飛び込んだのは甘やかな、許容ともとれる吐息。そして。
「そんなんで、満足か」
首筋に這わせるだけの唇を、咎める様な口振りに、思わず武者振り付いた。
歯を立て、舌で嘗め回す。唾液塗れになった肌が、てらりと光沢を放ち唇を離した端から冷えていく。
もっと、内側まで。
衝動に従って服に覆われた場所を胸元から暴く。露になった肌の白さに、ふと我に返る。
どんな顔でされるが侭になっているのかと顔を向ければ、コックは息を潜めてただ俺をじっと見ていた。コックは俺の僅かな動揺を見逃さずに、ゆっくりと言葉を放ち、それは俺の動きを完全に止めた。
「おしまい?」
先を促しているととられかねない物言いになった。そんなつもりは勿論無かったけれど。
動きを止めてしまったゾロの、目が徐々に落ち着きを取り戻す。
さあ、どうするよ? このまま不逞の輩に身を落とすのか、気の迷いだと冗談で済ますのか。
そう言うつもりで小首を傾げて見せてやる。ゾロは、始めと同じ緩やかさで、俺の目から視線を外さないまま、顔を近付けた。
ぎこちない動きで視線を俺の顔中に這わせたゾロは、同じぎこちなさで手を伸ばし、俺の髪を乱した。
災難に遭っている状況なのに、妙に落ち着く手だと思ってしまう事に驚く。
「選ばせてやる」
突然の災難からこっち、初めて聞くゾロの声は、内容に似合わない幽さで俺の耳を打った。
「偉そうに。自分で選べねェのを、人の所為にしようとすんな」
全くその通りだ。肚を決めてしまえば、次の科白も行動も自ずと決まる。
「悪ィな、俺が決める」
それでも、猶予のつもりでゆっくりと唇を近付ける。
すっかり触れてしまうまで、コックは微動だにしなかった。すっかり触れてしまっても、コックは否を示さなかった。
それが答えなら。
舌を絡める、唾液を注ぎ掬う。応えてくる舌に逆上せて、体を擦り寄せる。脇腹を掌でまさぐると、その手を制された。
「そこまでだ」
あからさまに不満気な顔を見せたゾロに、思わず笑う。不満を表す眉間の皺がますます深まる。俺の笑みもますます深まる。
「今ここで、じゃ、な?」
耳に吹き込んでやれば、気が抜けた様な顔を見せる。体の力まで抜いて、ゾロは俺の体にその身を投げ出した。
「夜、格納庫」
俺の鼓膜を揺すぶるゾロの声は、なんだか甘えてるみたいだ。
俺は笑い出したいのを堪えて、ゾロの背を抱いてやった。
鼾と歯軋りと寝言を子守唄に、熱を放つ体を抱き枕にして眠る。夜までと夜の体力を確保する為に。
20140727,0819
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