『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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コックがふとした拍子に見せる、諦めた表情が嫌いだった。そんな表情をさせる己を、許せなかったのかも知れない。
奪い合い与え合い、満足し合った筈のベッド上での微睡みに、そんな顔をされたから、堪らなくなった。
コックが諦めているのは、俺との未来、とか、そんな類いのものだ。
嫌だったし、許せなかった。矜持を捨てる方が、マシだった。
「俺は、てめェが俺を見限るってんなら、…死ぬぞ?」
俺は、必死だった。とんだ脅迫だ。
「何言ってんだてめェ…」
コックがぽかんとするのも無理は無い。全く、何を言ってるんだ俺は。
「てめェが居る所に、帰りたいと思う。てめェが、俺を待ってる場所に」
コックの目は丸いままだ。
「てめェが、居ねェなら。俺を、待ってねェなら。戻れねェだろ、最後の踏ん張りが、どうしても生きたいって、最後の最後は気力だろ、それが、無ェなら」
コックに躙り寄り、開いたままの唇を親指の腹で撫でる。
「死んじまう」
「じゃあしょうがねェから一生てめェの傍に居てやるよ、とでも言うと思ったかタコ」
唖然とした顔を見せてから、我に返った様に偽悪的な笑顔を作ったコックは、そう言って俺の額をぺちんと叩いた。
その勢いのまま枕に顔を埋めたコックの、髪の隙間から覗く耳介や項がほんのりと赤みを帯びていて、俺の脅迫は実を結んだのだと知れた。
ゆっくり覆い被さって、耳に吹き込む様に言う。
「言わなくて構わねェから…、居てくれ」
ぴくりと肩を振るわせたコックが放った答えは枕に吸い込まれてはっきりとは聞こえない。けれど、分かった。
『しょうがねェ』
首筋に鼻先を擦り付けても頑なに顔を上げようとしないから、今晩はもう俺の顔を見ない気だろう。
しょうがねェ。
こちらを見てはくれないが、払い除けられるでもないのに気を良くして、今晩はこのまま抱き締めて眠る。
あんな顔をされるより、遥かにマシだ。
20140717,0818
*やだはずかしい
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