『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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その時、敷布を握り締めているのは知っていた。
使い古して所々薄くなった毛布を布団代わりに、使い古して所々ほつれているテーブルクロスをシーツ代わりに、おざなりに敷いたその上で。
噛み殺す、声と何らかの感情——おそらく、悔恨や忸怩——の行き先。
力を入れ過ぎて血が通わなくて、元から白い指が更に色を失う。
おもしろくない、のが本音だ。しかし、そうであればこそ、とも思う。そっと上から手を重ねても、握り返される事は無い。形振り構わずしがみつかれる事も無い。頑なに取られ続ける、望んでの事では無い、というポーズ。
よもやそれが本音だなどと。思う程鈍くもないつもりだが。
おそらく無駄の類いの、矜持を捨てさせるだけの力量が無い自分を恨むべきか、無駄な矜持を抱え続ける奴だからこそ、こんなにも惹かれて止まないのだと認めるべきか。
その手が背中に回され首に回され、その指がめり込む程に、身も世も無く求められたら。どんなに甘美だろうと思いを馳せる。けれど今はせめて。
固く力の籠もった指を一本一本解き、自分の指に絡ませる。俺がそうしたいのだ、と知らしめてやれば、或いは。
唇を寄せれば一瞬力の抜ける指さえも、愛おしいのだと。
それがいつか伝われば良い。
20140629,0630,0814
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