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『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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*血腥い艶を目指して

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 ゾロは返り血で濡れた口元を、べろりと舐めた。そして忌々しげに唾を吐く。乱暴に甲で拭われた口元では、乾きかけた誰のものとも知れぬ血液と、ゾロ本人の唾液が薄く引き延ばされ、魔獣と呼ばれるに相応しい面相を一層険しく彩った。

 とても、汚い。
 事切れたばかりの肉塊を目の端に映し、ゾロは、地とは裏腹に澄んで光る空を見上げた。
 とても、綺麗。

 じり、と地を踏む音がする。顔を向けずとも、それが誰の足音かゾロには分かる。仮令、血と肉の臭いに紛れた煙草の臭いが鼻腔に届かなくとも。

 それは無遠慮にゾロに近付く。次第に濃くなる煙草の臭いは、ゾロにとって、彼岸と此岸を繋ぐ、微かな光だ。正確には、煙草の臭いを漂わせる彼こそが。

「お前今の、すっげーエロいな。俺、勃っちった」

 無遠慮に、ゾロの肩に煙草を挟んだ指を置いた男は、更に無遠慮に、ゾロの股間に己の股間を擦り付ける。そこは男の言葉通り、兆しを見せていた。 
 ゾロが至近距離にある顔を見遣ると、男は唇をいやらしく撓めた。隙間から紫煙が吐かれる。

「お前も、キてんね」

 男の言う通りだ。ゾロも彼と同じ程度には、兆している。闘いの高揚がさめやらぬ中、彼の足音を聞いたのだから。彼の臭いを、感じたのだから。

 ぐりぐりと押し付けられる刺激で、硬度は増す、互いに。
「誘ってんのか」
「当然」
「悪趣味だな」
「お互い様」
 ゾロの唇も、男と同じ様に撓む。いやらしく。

 互いを認めた瞳は、視線を絡み付かせ、撓んだ唇は、近付く。触れる寸前一瞬だけ止まった唇は、その僅かな隙間を嘲笑う様に、一つに溶けた。

「ここで、やんのか」
 触れる感触を愉しむ為に離した唇で、ゾロは問う。
「あんまり、ロマンチックじゃ、ねぇな」
 数度触れる悦びに震えた唇で、男は答える。

「似合いだな」
「全くだ」

 清澄の空と、汚濁の地。その狭間。

 ここは彼岸ではない。ここは此岸。彼の居る、ここが、ゾロの。


20140430
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