『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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どうだ参ったか。
そう言わんばかりの態度に、呆れ果てて言葉も出ない。
俺は最初に言ったじゃねぇか、お前の事が好きだって。
好きだからセックスしたいって言ったし、その言葉を拒んだのはお前だろう。
「てめぇは俺の事が好きだったんだぜ? 俺も、好きだったんだ、てめぇの事が」
ゾロはそう言って俺の前髪を掻き上げた。こいつにとっては見慣れた方の目に、いきなり光りが飛び込んだ。吃驚して目を瞑った俺に「目ェ開けろ」と言った声色は、恫喝みたいな言葉と裏腹に、甘かった。
ゆっくり瞼を上げた俺の目に映ったのは、こいつの瞳だった。潰れていない方の。
片目が見えなくたって、そんな事は何の問題にもならない。
俺を見詰める痛い程の視線が、半分になるだけの話だ。
しかしその強さは、半分を補って余りあり…恐らく、こいつが自覚した所為だろう、二年前より更に痛い。
予定外の別離が無かったら、或いは二年も無かったら。
こいつは気付かなかっただろうか。
否、この二年が別離でなかったら、俺達は疾っくにおっ死んじまってたかもな。
仮定の話に意義は無い。
仮に二年前にこいつが気付いていたとしても、きっと俺達の交わりは同じ様なものだったろう。
こいつは俺の言葉を拒んだろうし、俺はこいつが拒む様な態度しか選べなかった。
最初に格納庫の扉を閉めた時の様に、ゾロの頭を抱えてキスする寸前で、問う。
「何か、言って欲しいか?」
ゾロは視線を柔めて言った。
「俺に言って欲しい事を、言えよ」
いやらしい笑い方だ。
「俺が、お前に言って欲しい事を、お前は俺に言って欲しいって?」
「ああ。俺達は、同じ気持ちだろ?」
全くこいつは。二年の間におかしな自信までつけちまって。
「だったら、言葉なんて要らねぇな?」
ゾロは僅かに、痛みを感じた顔をした。
「…悪かった。…言ってくれ」
まさか、謝るとは。二年の月日は、男を素直にさせる事さえ出来る。
「何を」
「てめぇの、本当の気持ちを」
偉そうに「てめぇに教えてやる」と言ったくせに。そう言える程、知ってるくせに。それでも、言葉で欲しいかよ。
俺にも等しく、二年の月日が流れた。
二年前はとてもじゃないが目を見てなど言えなかった、何でもない風を装いでもしなけりゃ言えなかった言葉を、伝える。
「なあ俺お前の事好きなんだけど」
返るのは、至極素直な、言葉。
「俺はてめぇが好きだ」
それから俺達は初めて、言葉を交わしながらのセックスをした。
20140304,0306
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