『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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目が覚めて夢じゃなかったと思い知り、頭を抱えた。鳴っていた筈の警告音を悉く無視した自分を責めるべきだろうか。
全裸で包まった毛布の傍らに、全裸でうつ伏せて寝ている金髪が居る。
何故こんな事になっているのか。分からない——なんて事はさらさら無くて、細部まで時間軸に沿ってばっちり記憶にある。最初から最後まで。
それが夢じゃない証拠も、白い肌のあちこちに残っていて、何より日が昇っているのにこいつが朝食の支度もせずに寝ている——というより気を失って倒れている事実が、何があったのかを雄弁に物語っている。
——ゾロはサンジを抱いた。
間の悪い事に、ナミが、よりによってナミが、顔を出した。
ナミは一瞬、ぎょ、とした顔をした。視線の先は、酷い有様で倒れているサンジだ。
「ヤっちゃったの?」
素っ頓狂な大声を出されなかったのは、不幸中の幸いだ。今サンジが目を覚ましたら、この船はコックを失うだろう、入水か、刃物自傷によって。その場合、将来大剣豪になる予定の戦闘員も恐らく道連れだ。
ゾロは、嗜みとして、毛布の端でサンジの臀部を隠し、対角線上の端で自分の局部を隠し、ナミに近寄った。一応乙女に対する心遣いをした上で、サンジから最も遠く離れる最善の処置のつもりだ。
「ヤっちまった」
「合意の上でしょうね?」
酷い抵抗は無かったと記憶している。
「当たり前だ」
「なら何でそんな青褪めてんのよ」
「マズイだろ」
「でもヤっちゃったんでしょ?」
「ヤっちまった」
「なら、腹括りなさいよ」
小声で交わされる会話は、どうにもゾロの分が悪い。全くいつも通りの事ではあるが。
「で?どうだったのよ?」
「何がだよ」
「ヨかったの?」
「てめえとことん下衆い女だな」
ナミはその形の良い目も口も撓めて、ゾロの答えを待っている。
「ヨかったんだよ…!」
ヨくなかったんなら、頭を抱える事など無い。忘れてしまえば良い。忘れた振りで無かった事にしてしまえば。それが出来ないから、頭を抱えているのだ。それをしたくないから。
つまりゾロは、関係の継続を希望している。
「ヨかったんだって。良かったじゃない、サンジ君」
出し抜けに声を大きくしたナミに、ゾロは焦った。慌ててサンジを振り返るが、依然倒れ込んだままだ。しかし、その肩が小刻みに震えている。これは、憤死コースだろうか。金髪から覗く耳が、発火しそうに赤い。
起きていた?聞いていた?何時から?俺は起きている人間の気配も感じ取れない程動揺していたのか?
その事実に動揺したゾロは、思わず毛布を取り落とした。
「ヤダそんなモノ見せないでよ」
冷たく言い放ったナミの声に、慌ててしゃがみ込む。
「サンジ君、今日は朝食の支度、私がしてあげるから。ゆっくり休んで、ゾロと話し合ってね。昼食は期待してる」
サンジに対しては柔らかな声を出したナミが完全に姿を消しても、サンジの肩は依然押し殺しきれない震えを見せていた。それにそっと近付き、手を掛ける。笑って震えているのではない事くらいは分かるから、慎重に。
忘れた振りで無かった事になどされたら堪らない。
後ろから抱え込む様に寝そべり、閉じ込める。項に口付けると、肩が大きく跳ねた。
「お前も腹括れ」
「…そんなにヨかったかよ」
掠れた声で返される。
「離さねェぞ」
「…括っても無ェ腹で、股開けるかアホ」
ぼそぼそとした呟きで、完全に同意の上だった事、且つ、無かった事にしなくても良いのだと知らされ、ゾロは安堵している自分を可笑しく思いながら、サンジの顔を覗き込んだ。
耳と同様、頬は赤かったが、青い瞳は強くゾロを射た。
ゾロは初めて、サンジに口づけて言った。
「好きだ」
「順番が違ェ」
そう言って目を和らげたサンジは、ゾロの頭を抱え込み、二人は二度目の口づけをした。
20140216,0218
*目覚めると隣に、ってパターンが滅法好きで。
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