新聞屋さん番外編『興味』 2014/02/18__03:02

＊お久し振りです『新聞屋さん』番外編です。　　新聞屋さん index
（諸々途中ではありますが、甘い感じの短い話です。）

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　サンジの興味は、そのほとんどが料理に向けられている。

　サンジの家のテレビが映すのは、そのほとんどが料理番組だ。テレビで誰かが美味そうに何かを食べている時、美味そうな何かが材料や手順の解説付きで出来上がっていく時、サンジはいかにも楽しげに、熱心に、時にメモをとりながら画面を見詰めている。他にはニュースや天気予報の類いも映すが、サンジがそれを注視している様子は無い。恐らく時計代わり程度の意味しか持たないのだろう。

　サンジの家の本棚にあるのは、そのほとんどが料理本だ。写真がふんだんに使われたものだったり、文字だらけで食材について記載されたものだったり。そこに数カ国分の辞書類を見つけたから、訊いてみた。
「語学に興味あるのか？」
「ああ、各国料理の本でさ、大体は想像つくけど、分かんない単語もあるから」
　つまり興味があるのは、料理。
「食材名だけならどうにかなっても、細かい所、文章で説明されてたりするとさ、お手上げで。つっても、正確に訳せてるかどうかは、分かんねぇけどな？」
　そう言って辞書をパラパラめくるサンジは、楽しそうだ。

「お前、料理以外の何に興味ある？」
　サンジはぽかんとした顔をしてから、考える顔をして後、にかりと笑った。
「ねえな」

「お前、とか言えねえの？」
　ついうっかり、そんな事を言ってしまった。
　サンジはぽかんとした顔をしてから、頬を染めて後、俯いた。
「そんなの、言うまでもないだろ」
　それでもしっかり声は聞こえた。
　つられて赤くなった顔を見られたくなくて、顔を上げかけたサンジの後頭部を掴み、腕の中に閉じ込めた。

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20130311,20140213,0217

＊バレンタインデーの更新にしようと思ってたんですが、折角のバレンタインデーなのに、折角のパティシエサンジなのに、チョコが出てこないってどうなの…？と思ってずらしました。
＊深夜の部屋で赤くなってる二人（早くどうにかしてあげたい）の幾らか先の話です。