忍者ブログ
『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

*宿で同室になったんだと思いますよ。

拍手




 *****
      



 ベッドの上でころんと横になったサンジが言う。
「なあ」
「何だよ」
 隣に腰掛けていたゾロが面倒臭そうに言う。
「キスがしてェ」
 ぽつりと呟いた声が嘘みたいに頼りなくて、面食らったままゾロはサンジの頭の脇に手をついて、身を屈めた。
 乾いた唇同士を一瞬触れさせて、離れる。
「これで良いか?」
 言いながら元の位置に体を起こすゾロを視線で追って、サンジは言った。

「もっと、凄ェやつ」

 てっきり「てめェとじゃねェよ!レディとだ!なに気色悪ィ事してくれてんだこのクソ腹巻き!」くらいの罵倒は浴びせられるものと思っていたゾロは、サンジの発言が何を思ってのものか判断がつかず、己の欲求のまま、再び身を屈めた。
 唇が触れる直前、息が乱す空気を唇に感じながら、ゾロは言った。なけなしの理性だ。
「キスだけじゃ、すまねェぞ?」
 サンジはこそりと笑った。
「お前、俺にそんな気、あんの?」
「無くて、こんな体勢になるかよ」
 サンジの首が僅かに伸びる。途端に触れた唇は、『もっと、凄ェ』キスに移行した。
 ゾロの口内に侵入したサンジの舌は、縦横無尽に動く。

 これが、『もっと、凄ェ』キスか。

 キスがしたいと言ったサンジは、正しくしている。けれどゾロだって、されるばかりじゃなく、したい。
 サンジの舌に応えて、ゾロも舌を蠢かす。引っ張り、甘噛み、侵入し返し、動かし。
 擦り合わされる唇は、唾液塗れで最早どこも乾いていない。ヌルヌルと滑り、他の場所へも、と誘う。
 唾液を辿ったゾロの唇は、サンジの顎を通り喉仏を柔く噛んだ。舌で舐め転がす。
 サンジの首筋に掛かるゾロの鼻息が、唾液を冷やす。その下の皮膚は熱を発する。鼻先を擦り付ければ、煙草と潮と、『男』の匂いが、した。

 女では、到底ない。
 キスの先を求めるのは、女の代わりではない。紛れもなく、男。

 ゾロはそれを今更自覚し、喉を鳴らした。
「お前は、俺で、良いのか」
「良くなきゃ、誘わねェよ馬鹿」

 そうかあれはお誘いだったか。一般論的欲望を呟いたのに、俺が勝手に欲情したのかと思った。だったら遠慮なんて要らねェ。

 ゾロはそれこそ『もっと、凄ェ』キスをサンジに贈り、『それだけじゃすまない』あれやこれやで、サンジの誘いに乗った。



20131019

*誘い受け。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
mail
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
[471] [473] [468] [467] [472] [469] [466] [462] [470] [464] [465]
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
アーカイブ
ブログ内検索
最新記事
最新コメント
[04/16 koma@ツツジの花]
[02/23 タカス]
[04/18 koma]
[12/22 koma]
[12/12 ゆう]
プロフィール
HN:
utae
性別:
女性
手書きブログ
忍者カウンター
忍者アナライズ
バーコード
P R
忍者ブログ / [PR]
/ テンプレート提供 Z.Zone