15歳→17歳 2012/09/15__00:00

チョパ×ナミ（風味）　　苦い。

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「チョッパーっ！」
　露出の増えたナミが、トナカイ型のおれを抱き締める。
「うーん、ふわふわ！」
　ナミも、ふわふわだ。

　船に戻って、いつもの姿に戻ったおれを、ナミが抱っこした。
　ふわふわの胸に、顔が埋まった。
　苦しくて、甘い。


「ナミは、おれが男だって、忘れてるんだな」
　ヒト型になったおれは、逆にナミを抱き締めた。
「え？」
　ナミなんて、おれの腕の中にすっぽり収まってしまう。

「おれは、男なんだ」
　ナミの頭蓋骨に向かって、言い聞かせた。
　ナミの肩が、小さく震えた。

　脚力強化したおれは、甲板を一跳ねして、ナミの前から消えた。


「男を口説くのに、許可が必要なの？」
　と言ったんだ、ナミは。
　ドクトリーヌからそれを聞いたおれは、意味が分からなかった。
　何となく、嬉しい気持ちがしただけだ。

　でも今は、意味が分かる。
　二年経って、分かる様になってしまった。
　その科白が、言葉遊びに過ぎない事も、分かる様になってしまった。

　目の前で風呂に入ったり、一緒に入るかと誘ったり。

　ルフィには、しないだろ？
　ゾロには、しないだろ？
　ウソップには、しないだろ？
　サンジには、しないだろ？
　フランキーには、しないだろ？
　ブルックには、しないだろ？

　きっと、もうナミはおれを抱き締めたりしない。
　それでいい。それでいいんだ。

　ヒトヒトの実を食べたって、どんなにヒトと暮らしたって、おれはヒトには成れない、トナカイなんだから。

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20120814,0913

　ごめんね、チョッパー。
　ナミさんも、ごめん。