『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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「ご迷惑おかけしまして」
302号室の家主が、販売店にふらりと来た。
「これ」
封筒を差し出す。
中身を確かめると、3925円。
「わざわざありがとうございます」
領収書を用意する。サービス誌と、新聞袋と、ゴミ袋も。
「もう大丈夫なんですか」
「はい、すっかり」
貰うものを貰って渡すものを渡してしまえば、もうする事はない。
「滅多に熱なんて出さないんだけど。こないだは、急で。看病してくれる人呼ぶ間もなくて」
ぽつりぽつりと話しだす。
立ち去り難く思ってくれてるんだろうか。
そんな風に思った事と、話の内容に動揺した。
「呼べば看病しに来てくれる人、居るんだ」
うっかり敬語が飛んだ。
ぽかんとされた。
「あ、いや、…見栄張った」
一瞬情けない顔をして、直ぐに堪えきれない様に吹き出した。俺の表情も、同じだったと思う。ワンテンポ遅れて。
手にしていた紙袋を渡された。
「お礼。嫌いじゃなかったら、食べて?」
言いながら出て行った。
店で買ったものみたいな包装じゃないそれは、やたらと美味い焼き菓子だった。
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