『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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ルフィの舌が、俺の舌を搦め捕った。
「俺の舌ぁ、食い物じゃねぇ」
ルフィは唇を離し、俺の顔をじっと見た。
それから、また唇を合わせ、じゅ、と俺の唾液を吸った。
「俺の唾液は、飲み物じゃねぇ」
そして、また、あの顔。何を考えているのかは分からない。ただ、決して間違えない、と俺は知っている。
そして、言った。
「お前は、死ぬな。俺の傍に居ろ。ずっとだ。絶対だ」
全部見透かされている様な、全て許されている様な、きっと、俺の指針になる言葉。
「——分かったよ、キャプテン」
「約束だぞ」
「ああ、約束だ」
応えるようにしっかりと目を見て言ってやる。
少し余裕を失くした様な、かたい顔がゆるゆると笑顔に変わった。
伸びる腕で、ぎゅう、と締め付けられた。ぐるぐると巻き付かれる。こりゃ何重だ。
俺はひっそり懸念した。
…これ以上を要求されたら、どうしよう。
俺は見てしまった。
ルフィが、ウソップに、濃厚なキスをかましている所を。
そうかあいつは、誰彼構わずなんだな。
あの野郎…ナミさんやロビンちゃんにもやりやがったら、ただじゃおかねぇ。
ウソップは、ぐるぐると体をゴムの腕で拘束されて、鬱陶しそうにしていた。——あれ?なんか慣れてる?
あの恐るべき船長は、チョッパーにでさえ、鼻っ面を齧る勢いでキスをする。ヒトの流儀を知らないチョッパーは、親愛の情として嬉しく思いこそすれ、嫌がっては居ないようだ。…何より。
船長はスキンシップが大好きらしい。俺は何度も目撃した。ウソップに絡み付くのも何度も見たし、俺にも何度も絡み付いてきた。精々がキスどまりで、それ以上要求される事はなさそうだから、レディたちに手を出さない限りは好きにさせておく事にした。減るもんじゃなし。
で、俺は気付いた。
ルフィは、ゾロにだけは手を出さない。
仲が悪い訳では勿論ないし、二人で楽し気に肩を寄せあっている事もある。しかし、キスはしない。最も付き合いの長い二人なのに。何か理由があるのか。
何度目かのキスで顔中唾液だらけにされた際、堪え兼ねて訊いてみた。
「ルフィ、お前、ゾロにはキスしないのな?」
「ああ、ゾロか…」
珍しく言い淀んだ後、ルフィは視線を泳がせた。
「女にもしねーぞ?」
「当たり前だレディにしやがったらオロスからな絶対ェすんな」
「おっかねーな、サンジ!」
からから笑うルフィに、再度問う。
「だから何でゾロにはしねえんだよ?」
ルフィは唇をひん曲げて、言おうか言うまいか逡巡している。珍しい。
「あいつはなぁ…」
きっ、と唇を一度引き結ぶと、それからきっぱりと言い放った。
「うっかりその気になられても困る」
「あー…」
確かに。なんかこう、あいつは、ケダモノに違いない、と思わせる何かが有る。性別状況関係無しで、スイッチが入っちまったらどうにも止まらない様な?
「お前も恐いしな」
は?
何で俺が出て来る?
そうだ、俺は?
「俺ならその気になっても良いのかよ?」
俺はちょいと挑発的な目と指で、ルフィの顎を辿ってやった。大人の色気、って奴?
なのにルフィは、かっかと笑いやがった。
「お前は大丈夫だ、サンジ」
「何でだよ?」
ちょっと、男として馬鹿にされた気がして、不満気な声が出た。
「お前は、俺じゃその気にならねぇよ」
「あん?」
「それが、俺がゾロにはキスしない理由だ」
船長は高らかに宣言して、船首に飛んで行った。
何だそりゃ。
その様子を見ていたらしいゾロがルフィを殴って俺へのキス禁止を申し渡し、その足で俺にキスをしにやって来たから、俺は我らが船長の慧眼に甚く感服した。
だってよ、そのキス、すげー良かったんだぜ?
確かに、ルフィがゾロにキスしてたら、俺はルフィをオロしちまうだろうな、ってくらい。
ゾロは全く以てケダモノだったし、俺はあっさりその気になった。ルフィではならなかったのにな。
大した慧眼だ。いやはや。
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