『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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小さい島に接岸して、寝こけていた為に船番を仰せつかる事になったゾロが目覚めると、キッチンから食欲を誘う匂いが流れてきた。
「お前降りなかったのか」
欠伸をしながらキッチンの戸を開けたゾロは、小さい頭を揺らして料理しているサンジに声を掛けた。
「とっくに上陸して仕入れして帰って来たんだよ、この寝腐れマリモ」
サンジは悪態をつきながら、フライパンを振る。じゃ、と音を立てて宙を飛んだ中身が、皿に納まった。
「ほい、昼飯」
差し出された皿の中身は、色味の無い、パスタ。
「なんだこの素っ気ない麺」
「aglio olio e peperoncino」
「あーりおーりお、ぺ?」
「そ。文句いう前に食え」
次いで差し出されたフォークを受け取ったゾロは席に着き、「いただきます」と手を合わせた。
サンジは「どうぞ」と言いながらレモン水をテーブルに置き、ゾロの正面に腰掛けた。
フォークを突き刺し、何重にも巻いたパスタを口に含んで、ゾロの頬は丸く膨らんだ。
もごもごと咀嚼するゾロが、「お」という顔をした。
「美味いだろ?」
頬杖をつきながらゾロの様子を見ていたサンジがにんまりと問うた。
ゾロはもごもごと口を動かしたまま、頭を縦に振る。
「アーリオがニンニク、オリオがオリーブオイル、ペペロンチーノが唐辛子。後は茹で汁に塩が入ってるだけのパスタだ」
あっという間に皿を空にしたゾロが言った。
「シンプルだな」
「そ。シンプルなだけに奥が深い」
「お前が作りゃ、何でも美味いだろ」
しれっと言うゾロの口元は、オリーブオイルでぬらりと光り、唐辛子が口の端に付いている。
「ここ、付いてる」
サンジが自分の口元を指差し指摘すると、ゾロは舌を出してべろりと口の周りを舐めた。
「取れたか?」
「まだ」
サンジは席を立ち、ゾロの傍らに立つと、身を屈めた。顔をゾロの顔先に突き出し、自らの舌で、唐辛子を舐め取る。ついでに唇の油も舐める。
「ん、美味い」
満足げな顔で離れようとしたサンジの後頭部を、ゾロは掌に収めた。引き寄せて、口をつける。直ぐに開いた唇の間から、舌を差し入れ、差し入れられ、絡ませ合った。
「口の中の方が、美味いだろ?」
「馬鹿言え、俺の料理の方が美味いに決まってんだろ」
「じゃあ、二番目」
「しょうがねえな、認めてやるよ」
世界一美味いアーリオ・オリオ・ペペロンチーノの次に美味いものを、二人は、他のクルーが帰って来るまで、堪能した。
20130414
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