『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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ある晩。ゾロが酒を掠めにキッチンに侵入すると、そこにはサンジが居た。ランプの灯は落ちていたから、油断していた。サンジは盗み酒を許さない。サンジに見つかって猶酒を飲みたければ、サンジにその許しを請わねばならない。サンジとの間柄が決して良好とは言えないゾロは、それを良しとしない。けれど酒は飲みたい。
ゾロが逡巡していると、月明かりの中、サンジがひっそりと近寄って来た。
「酒か?」
「…ああ」
「やっても良いが、条件がある」
「何だよ」
「俺を抱け」
ゾロは自分の耳がおかしくなったのだと思った。明かり取りの窓からの朧な光では、サンジの表情は読み取れない。
腕を伸ばせば囲えてしまう距離に居る、サンジ。
まさかと思いつつも、ゾロはそうしてみた。
「こんなんで良いか?」
「ちげーよ馬鹿。俺に突っ込めって言ってんだ」
益々ゾロは自分の耳を疑う事になった。サンジの背に回していた腕を一旦外し、ピンと伸ばして、裏拳をサンジの肩にビシと当てる。
「ボケてんじゃねえ」
って事は何か。やっぱりセックスのお誘いか。
耳に対する疑念は去った。しかし脳の心配をせねばなるまい、これが本当にサンジなら。
「まさかたぁ思うが、お前ひょっとして、俺が好きなのか?」
余りの事に、ゾロは訊いた。
サンジは、ちょっと考える顔をした。それから、言い放った。
「恋はしてねえ。これは単なる欲だから、安心しろ」
「安心?」
「気持ちとか、将来とか、そういうのは要らねえ。取り敢えず、エロい事出来れば良いんだ」
「そりゃあれか、性欲処理、って事か」
「そうだな。お前は、必要ないか?そういう相手」
「つまり、俺に、お前で性欲処理をしろ、と」
「そうだ。俺はお前で性欲処理をする」
ゾロは嘆息した。
そりゃ、願ったり叶ったりだ。
ゾロは、サンジに欲情を感じた事が無いとは言えない。度々、有り体に言えば、ムラムラしている。勿論、隠している。隠しおおせている筈だ。
自分が突っ込む方なら万々歳だ。
けれど。サンジは言った。「恋はしていない」と。そこに何か、引っかかりを感じる。
「どうだ?」
サンジの声で、ゾロは思考の沼から引き摺り出された。
「…どこでヤる」
ゾロは、何だか分からない引っかかりより、目の前にぶら下がっている餌を取る事にした。
それが罠でも毒でも、そうだと分かった時にどうにかすれば良い。
「ここで良」
サンジの言葉を最後まで待たず、ゾロはサンジの喉笛に齧り付いた。
恋をしていない肉体を貪る虚しさをゾロが知るのは、ゾロが恋をしていると自覚してからの話だ。
20130223
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