『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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キッチンに立つサンジの後ろ姿は、ゾロの某かに、某かを沸き起こさせる。某かとは何かと問われたら、或る種の情動であり、或る種、の或る、とは、その、つまり、肉体的な欲を伴う欲求であり、そう、肉体的な欲はあくまでも伴う物であり主たる物ではない、のだが、ではその主たる物とは何か、となるとゾロには皆目見当付かない。困った事だ。
伴う物である筈の肉体的な欲は、なんだか分からない主たる物より遥かに直截的だ。
どうやらゾロはサンジに欲情しているという事らしい。理由は分からないが。
女にゃ到底見えん。
自分と同じくらいの上背で、綺麗に筋肉が付いている、丸みを帯びた柔らかな膨らみなどどこにも無い、ひたすら頑丈な体。
男にしか見えん。
けれども、そうしたいと思ってしまったのだから、ゾロにはそうするより他は無い。
立ち働く背中を、後ろから抱き竦め、胸に抱く。
両腕を前に回すと、サンジは体を僅かに強張らせた。
仕事の手を止めたサンジに、その意を問われる。
そんなもの、ゾロこそ知りたい。どうしてこんな風にしたいのか。
正直にそう返答すれば、サンジは興味も無いといった風に仕事を再開する。ゾロを背に張り付かせたままで。
「やりずれぇんだけど?」
「悪ぃな、暫く我慢してくれ」
「何で俺が我慢しなきゃなんねえの」
「俺が我慢したくねえからだ」
「我が儘だな?」
「そうなるな」
ゾロにはサンジを拘束する腕の力を一向に弱める気配すら無く、サンジは溜息を吐いた。
「埒があかねえ」
「諦めろよ」
「だから何で俺が」
「俺が諦めたくねえからだ」
「だから我が儘だろ、それ」
「そうだって言ってんだろ」
全く——始末に負えない。
サンジはまた一つ溜息を吐き、言った。
「俺だってよ、ただ抱き締められてるより、抱き締め返してぇんだけど?」
拒否されるのは覚悟の上だった。その上で我が儘を通したいと思っていた。だから、そんな、まるで受け入れられる様な言葉が返って来るとは思わなかった。
ゾロは呆気にとられて、腕の力が抜けた。その隙に、サンジは体を反転させ、ゾロと胸を合わせた。
「この方が良くねえか?」
背中に腕を回しながらサンジが言う。お互いの肩にお互いの顎が乗っている。ぎゅう、と腕に力を込めれば、確かに、一方的に抱き締めるより遥かに満たされる気がする。
身動ぎした拍子に、頬が触れ合った。それほど顔が近いという事に思い至り、ゾロはサンジに顔を向けた。
至近距離にある頬に、唇をつけた。そうしたいと思ってしまったから。
「おい」
「何だ」
返す言葉はサンジの頬に弾かれてくぐもる。
「俺はそこまでは望んじゃいねぇ」
淡々としたサンジの声は、ゾロの心をささくれ立たせた。
「俺が望んでんだよ」
「我が儘だな」
呆れた、といった風に呟いたサンジの頭を掴んでこちらを向かせ、ゾロは強引に目を合わせた。
「てめえも、望みゃ良いんだよ」
「ほんっと、我が儘」
溜息と共に吐かれたサンジの言葉は、発せられた直後、ゾロの口内に吸い込まれた。
20121130-
*「埒が開かねえ」を「埒があかねえ」に変更しました(20130219)
『埒が明かない』が正解らしいのです。けれど『埒』は『開閉』するものであろうと思います故、平仮名でお茶を濁します。
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