『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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結局毎朝、朝飯を御馳走になる為に、302号室のチャイムを押している。
二度目のあの日。逡巡して、結果帰ろうとした日。突然開いたドアの向こうで、家主が——サンジが、笑顔を見せた、あの日。
やっぱり美味かった朝飯を食べ終えて、そろそろ辞そうと思った時。
「遠慮しないでくれな?」
サンジはそう言った。
「明日も、来てくれるか?」
サンジはそう言った。
施されているのは俺なのに、まるで施しを待つ様な、そんな目で。
どうしてそんな目をするのか知りたくて、覗き込む様に見た。すぐに目は伏せられてしまい、知る事は叶わなかった。
「迷惑じゃないなら、」
「迷惑だったら、誘ったりしねえよ」
間髪入れずに返された言葉と同時にこちらを見た目は、もう、あんな目じゃなかった。
ほっとした。
俺が、遠慮せずに美味い朝飯にありつく事で、サンジにあんな目をさせずに済むのなら。
遠慮する理由なんか一つもない。そもそも、俺にとっては嬉しいだけの話なのだ。
「明日も、御馳走になる。今日と同じくらいの時間で大丈夫か?」
「ああ。待ってる」
サンジはそう言って、笑った。
帰路は心が浮き立って仕方なかった。
いつか叩き落されるだろう、と心のどこかで意識しながら、それでも浮き立つ心はどうにもならなかった。
毎朝、浮き立つ気持ちで302号室のチャイムを押している。
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