印 2 2012/11/19__00:00

11月18日付『印』同軸

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　平和な昼間の甲板で、チョッパーに訊かれた。
「ゾロも煙草を吸うのか？」
「そんなもん、誰が吸うかよ」
「でも、煙草の匂いするぞ？」
　チョッパーはくんくんと匂いを嗅ぎながら、鼻を擦り付けてくる。
「サンジの煙草の匂いだ」

　思わず自分の匂いを嗅ぐ。
　自分じゃ分からない。すっかり慣れてしまった匂いが、自分から漂うかなど。

「ヒトじゃ、分からないんじゃないかな？」
「でも、確かに匂ってる」
「匂いが移る程、傍に居るんだな！」
「意外と仲良しなんだな！」

　チョッパーは嬉しそうだ。
「まあな」
　と答える以外、俺に何が出来ただろう？

　夜半。睦言代わりに、隣で満足げに煙草を吸う、匂いの主に言う。
「事後に隣で煙草なんて吸うから。だからチョッパーにバレちまう」
　そう言えば、煙いだけのそれを止めるかと思ったのに。
「俺だって、お前に印付けてぇもん」
　顔に紫煙を吹き掛けられた。

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20121117