印 2012/11/18__00:00

二年後初閨事時

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　内腿に印を付けられるのを、奴は殊の外喜んだ。首元に付けようとすれば、怒られたのに。

「ここは誰も見ねぇもん。ションベンする度に、てめぇを思い出すんだぜ？」
　俺をションベンとセットにするなよ。つーか、印見るまで忘れてんのかよ。
　そうは思うが、邪気の無い顔で言われれば、悪い気もしない。

　機会がある毎に、印を付けた。
　消える暇も無く、二つ三つと付いた日もあった。
　昨日の印を見ながら、一昨日の印を見ながら、新たな印を付けるのは、ちょっとした愉悦だった。俺だけの、密やかな。

　二年振りに見た奴の内腿は、真っ白だ。
　思わず撫でる。
「なん、だよ…早、くしろ、よ…」

　強くきつく印を付けた。

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20121117