『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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閉じた瞼に陽光を感じて、サンジは目を覚ました。
朝だ。
ベッドの上。揺れていないし、波の音も聞こえない。
陸だ。
そうだ。昨日上陸して、宿を取った。
頭が痛いのは、多分二日酔い。
そうだ。昨晩はしこたま飲んだ。ああ、体も痛い。
体。
さらりとしたシーツが肌に触れている。
あれ? 裸?
サンジはこじ開けた目をぐるりと巡らし、次いで首を回して周囲を見た。
有り得ないものが、目に入った。
何で?
隣でゾロが、健やかに眠っている。
裸で。
一つのベッドで、同じシーツに包まって、裸で。
「何で?」
「んあ?」
目を覚ましたゾロと、疑問符だらけのサンジは、それぞれ天井を眺めたまま会話する。
「なあ、ゾロ」
「何だ」
「俺は何にも覚えちゃいねえ」
「そうか。何も覚えてないのか」
「そうだ。だから——」
「だから、何だ」
「何も無かった。って事で、良いよな?」
「——生憎、俺は全部覚えてる」
「そうか。全部覚えてるのか」
「そうだ。だから——」
「だから、何だ」
「無かった事にするってのは、無理だ」
サンジは盛大に溜息を吐いた。
だって。
無かった事にした方が、平和じゃねえ?
「お前、そういう事言うなよ。良いじゃねぇか、無かった事、で」
「無理だ。なにせ俺は——」
「何だよ」
「無かった事に、したく無ぇ」
何言ってんだよ馬鹿マリモ。
本音を言えば俺だってそうだぜ阿呆マリモ。
お前そんな事言っちゃって良いの?
俺は相当しつこいぜ?
サンジは、ゾロを見て言った。
「じゃあ、思い出させてくれよ」
ゾロも、サンジを見た。
「存分に」
二人の視線が絡み、唇が触れ合うまで、あと十秒。
十分後には、サンジは全てを思い出す。
けれど、サンジが「思い出した」と言うのは、すっかり事が終わった二時間後。
既成事実も二度目なら、無かった事には出来まいと。
20121026,1115
これ、ゾロが記憶無いバージョンも…と思ったけど、ゾロが酒飲んで記憶失くすなんて有り得なかった!
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