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『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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ロロ誕なので、ゾロ受け。(なにゆえ)
やっちまった、ミホゾロ。(ゾロサンではありますが。)

  ご め ん な さ い 

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 *****
      



 男を抱いた事は有る。男。コック。体だけの、性欲処理の為だけの関係だったとは、思いたくない。その程度には、想いがあった。俺の方にだけだったかも知れないが。コックの気持ちは、ついぞ分からなかった。読めない男だ。何故大人しく俺に抱かれていたのか。女と見ればデレデレしていたのに。しっかり男の体だったのに。俺もどうして抱けていたのか。生死も分からない今となって、疑問ばかりが浮かぶ。抱きたい、と、そんな事に現を抜かしている場合ではないのに、そんな事ばかり思ってしまう。

 気の迷いだった。
 白い肌と、ほっそりした体躯、口汚さ。
 手を出しかけた。
 剥き出しの二の腕を掴んだ途端、鷹の目に首根を掴まれ引き剥がされた。
 危なかった。

 放り込まれた鷹の目の自室。
 俺ごときに寝首をかかれる心配などしていないとでも言うかの如く、城内では覇気など纏っていない鷹の目が、今ばかりは激しい気を放っている。
 ゴースト女は、鷹の目の情婦だったか。それにしても鷹の目ともあろう者が、随分な執心ぶりだな。
「悪かった。知らなかった。もうしない」
 素直に謝れば、怒気であったそれは弛む。けれど鷹の目は俺の胸倉を掴んだ。
「何を、知らなかったと?」
 気を読み違えたかと僅かに動揺する俺の目の前に、鷹の目の、その名の所以たる眼光があった。
 それが、一瞬伏せられて、また俺を射る。後頭部に手を添えられるや否や、唇に、感触が。久しく感じていない、人肌の、温もりが。これは、接吻、だ。
 何故。
 次いで唇を湿った感触が這う。これは、鷹の目の、舌。それが歯列をなぞり、割る。上顎を、頬内を、舌を、鷹の目の舌が這いずり回る。唾液が、口腔内から溢れ出る。
 何故、鷹の目は、俺にこんな事を?
 何故、俺は、受け入れている?
 遠慮のない舌など、噛み切ってしまえば良いだろう?

「ふはっ…」
 漏れた息が、耳につく。
 コックが、こんな息を吐いていたのを、思い出した。
 まさか自分が、こんな息を吐くとは。

 俺は、コックか。鷹の目が、俺か。

 離れかけた鷹の目の舌に、俺の舌が、絡んだ。数瞬止まった鷹の目の舌が、再び蠢く。俺の舌は、貪る様に動いた。俺の意思など、俺の体は無視した。勝手に、動く。俺の、体が。

 元々堪え兼ねていた体だ。火は、簡単につく。簡単に、燃える。相手が誰であるかなど、然したる問題ではない。ゴースト女に手を出そうとしていたではないか。それが鷹の目に変わったからといって、何を驚く事がある。

 鷹の目は、巧みだった。

 自分の手順と比べてしまう。
 明らかに、自分よりも数段上だ。悔しい、とおかしな対抗意識が湧く。
 俺は、コックにこんな快楽を与える事が出来ていただろうか。

「余所の事を考えるとは、随分余裕だな、ロロノア」
「そんなんじゃ、ねぇ…」
 実際、余裕など、無い。鷹の目は、確実に俺を追い詰めていく。追い上げていく。

 脚を大きく割り開かれる。体を二つに折られる。片脚を肩に乗せられ、体重を掛けられる。
 宛てがう前に、自らの手で扱いたのが見えた。
 若干傷付かない事も無い。僅かに心が冷えて、僅かに萎えた気がした。俺の体じゃ、と卑下た気持ちが湧く。俺はそんな事する必要など無かった。
 鷹の目はもういい年だしな、俺は若いし、と思う事で自らを慰める。馬鹿な思考だ。

 コックは「男の体じゃ萎えるだろ」と言っていた。「目ェ瞑れよ」と言っていた。「馬鹿言うな」と言ったら、情けない顔で薄く笑っていた。
 コック。
 今になって、お前の気持ちが分かる。
 情けないもんだな。
 ああ言った、お前の気持ちが、分かる。言わずに居れなかった、気持ちが。

 鷹の目は、俺だ。俺が、コックだ。

 引き裂かれる痛みと、どうしようもない不快感は、それを上回る快楽にどうでも良くなる。
 そんな自分に、唾棄したくなる。
 喘ぐ自分が、許せない。
 コック。
 お前も、こんな気持ちだったか。
 コック。
 俺は、お前にこんな気持ちを強いていたのか。
 コック。
 どうして、お前は俺を受け入れた。
 コック。
 コック。
 快楽だけだったか?
 快楽だけを理由にしなければ、居られなかったか?
 何故、お前は俺を何度も受け入れた?
 快楽だけが理由か?
 コック。
 何故だ。
 コック。

 ベッドに俺を転がしたまま立ち去ろうとした鷹の目に、言った。
「二度と、御免だ」
「最中に他の男を思う様な無粋な奴とは、俺も御免だな」
 鷹の目の声は、冷たい。
 だったら、他の男の事なんか考えられない様にしてみろよ。
 思ったが、言わない。挑発になんて、乗ってやるもんか。

 鷹に喰われ、一人残されたベッドの上で、兎と呼ばれた過去を思った。
 その時付けられた袈裟懸けの傷を指で辿る。事後寝入るまでの間、コックがよくやっていた。何が面白いかと思ったが。

 きっと俺は、愛されていた。
 コックは俺を、愛していた。



20121031-1111

 おめでとうゾロ。
 コックの気持ちが分かって良かったね。愛されてたって思えて良かったね。
 …何のフォローにもなってないね。ごめんね。愛してるよ。君のおかげで毎日楽しいよ。ありがとうね。
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