『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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邂逅の時は過ぎた。当たり障りのない思い出話、当たり障りのない近況報告。核心は、慎重に避けた。サンジが避けているのも分かった。ぎこちなさを年を重ねて得た如才無さでごまかして、そんなもの、会話が盛り上がるわけもない。もとより、会話の盛り上がる二人ではなかった。避けた核心と喧嘩腰を奪ってしまえば猶の事。
二度と会えないわけではないが、次に会う事由もない。今生の別れになるかも知れない。核心に触れないのなら、それも宜なるかな。
ゾロは席を立った。触れられたくない核心を無理に暴く無謀は、もう持っていない。
「なあ」
柔らかな声の呼び掛けに、ゾロはゆっくりと振り返り、瞬いた。
「もう、俺に興味はねェか」
ゾロの瞬きが積もる。
サンジはゾロの目に真っ直ぐと向けていた視線を外した。
伏せられた視線、露わになる目蓋。
ゾロには覚えがある。あの頃、よく、見た。あまり良くない兆候だ。ろくな事を言い出しかねない。
「そんな言い方じゃ、興味のあった時期があったみてェか」
からりとした声で笑って、サンジは煙草を咥えた。
ほれ見たことか。ゾロは溜息交じりに言った。
「てめェは変わんねェな」
細く立ち上った紫煙が揺れる。
「お前は、変わった?」
声まで小さく揺れている。
「ちっとも変わんねェよ。ずっと、てめェに」
互いに避けるなら、暴かないままの方が良い。一方的に暴こうとするなら、それは無謀だ。
サンジは無謀への道を踏み出した。ゾロがそれに続かない理由はない。直ぐに戻ろうとするサンジを、引き止めない理由も。
「どんだけ興味があるか、教えてやるから」
ゾロは一気に間合いを詰め、ゆるゆると視線を戻したサンジの腕を掴んだ。耳元にそっと吹き込む。
「今夜付き合え。戻れると思うな」
サンジは眉を下げて薄く笑った。
「今夜は帰さない、って?」
がたりと音を立て、サンジも席を立つ。
そんな生易しいもんじゃねェよ。隠し果せた日々に、だ。
サンジがまた躊躇いを見せない様にそれは言葉にせず、ゾロは薄く笑うに止めた。
20170203,0204,0205
*現代パラレルかな?って気もしますが、設定が全く。
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