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『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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*6月25日付『女々しい』の“激しく主張した”件を書こうとしたんですが…

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 女を欲しいと思った事はない。男は無論だ。そういう対象として、他者を欲した事がない。そういう事にかまけている余裕などなかった。寄って来た機会を摘み食う、それで充分だった。ただの排泄に、それ以上の理由など要らなかった。

 海の上では、する事がない。基礎的な鍛錬が精々。だから単純に、時間的な余裕がもたらしたものなのかも知れない。この情動は。
 普段俺に暴言を吐く唇がどれ程柔らかいのか。普段俺を足蹴にする身体がどう打震えるのか。一度気になりだしたら、何が何でも知りたくなった。
 そんなに難しい事ではないと思われた。男など眼中にないといった態度を貫いてはいるが、女を神聖視し過ぎているきらいがある。その場合、欲の発散相手に男を選ぶ様に仕向けるのは容易い。おそらく、ムードに弱く、押しに弱い。

 波の穏やかな日だった。皆が寝静まった夜半。コックは一人静かに明日の仕込みをしていた。俺は何も言わずテーブルで酒を飲んでいた。コックは何も言わずに一皿肴を寄越した。水音や何かを捏ねる音、鍋の中で何かが煮える音。俺の咀嚼と嚥下の音。そればかりの狭いキャビンの中は、薄暗く、熱と湯気が片隅だけを温ませている。
 コックが火を落とした。俺は空にした皿を手にコックに近寄る。
「ごっそうさん」
「おそまつさま」
 昼の俺達を知る誰かが見たら驚くだろう穏やかさが、夜の俺達にはあった。暴言も足蹴も、それを誘発する俺の挑発も、夜の俺達には必要なかった。
 普段なら皿の受け渡しを終えれば直ぐに離れる。今夜はそうしなかった。
「…どうした」
 答える代わりに、小さく訊いたコックの首元に擦り寄った。咥え煙草の赤い穂先が大きく揺れて、コックの動揺が知れた。唇を弱く米神に這わせて、動きを止めたコックの目を見る。きつく睨む瞳の奥に、確かに揺らめく情動を見た。
 煙草を引き抜き、シンクに投げた。じ、と微かな音を聞いた。引っ張られた唇がゆっくりと戻るのを見てゆっくりと瞼を下ろし、唇を寄せた。コックがどんな反応を見せるか、気にならなかった訳ではない。コックの見せる反応がどうであろうと、止める気はないという意思だ。
 コックの唇は決して拒みはしなかった。それは、貪る事への許可だ。実際にどうだかは兎も角、そうだと判断した。
 唇を開き接した唇を開かせる。舌を伸ばせば、仄かに苦味を残す舌が絡まった。
 許可だ。

 そっと瞼を上げて見れば、コックの瞼は下りている。こいつは何を見ないでいるのだろう。妙に欲を誘う舌使いに、熱が腰に集まる。腰を抱き寄せて、擦り付ける。感知したのだろう、コックの腰が引けた。逃がすか、と思うの半分、いきなり深追いするのも、と躊躇するの半分。その隙に、コックの腰が戻った。擦り付けられたそこは、熱く硬い。俺と同じだ。同じ、男。
「どうすんだよ、これ」
 舌だけが離れた至近距離で、コックの声は熱く湿っている。
「出さなきゃ、治まんねェだろ」
 言い終わるより先に再び口を塞ぎ、コックのベルトを引き抜く。コックの手も俺の手と同じ動きをしている。
 一段と近くなった熱。更に布を排除し、触れる素肌。互いの熱さと硬さにそれは増し、濡れていく。
 主導権を争う様な口づけは、勝負がつきそうにない。ならば、とコックの尻を掴み、割り開く。コックの肩が跳ねた。
「おい」
 離された口元から細く垂れた唾液が光って切れる。抗議なら無視だ。中指を埋める。
「おい、てめェ何する気だ」
 コックが尻に力を入れた。中指を千切らんばかりだ。だが、抗議なら無視。負けずに中指の腹で入口を伸ばす。
「このままじゃ入らねェだろ」
「入れんのかよ」
「入れるだろ」
 当然だと言わんばかりの態度で入口を揉み解し続ける。コックは一つ息を吐くと、尻から力を抜いた。
 随分と物分りの良い。
 俺の肩に頭を預けたコックは、それきり大人しくなった。主導権争いからは降りた様だ。良さげな反応を見せる場所を重点的に攻めていく。そんな面倒も、コックの零す息に混じる色を感じれば歓びの一つに変わった。

 結局その夜は、指を一節入れるに留まった。抉じ入れた指先はそれ以上進まず、とても俺自身が入り込めるとは思えない。その上指を動かす度コック自身は力を失くしていく。俺ばかりが昂るのに、耐えられなかった。焦れてコック自身に手を伸ばすと、再びコックの肩は跳ね、忽ちコック自身も復活した。二本まとめて扱けば、程なく同時に果てた。入れたままだった中指の先は強く圧迫され、酷く熱かった。
 息を整えたコックは中途半端に脱げていたシャツをすっかり脱ぎ、互いの手や腹に飛んだ白濁を拭った。
「ちゃんと手ェ洗えよ」
 コックがそれだけ言ってキャビンを出ると、今し方までの熱も急激に去った。言い付け通りに手を洗う。手が、指先が、熱を忘れるまで。
 それには随分と時間が掛かった。

 唇の柔らかさも、体の震わせ方も知った。理不尽だろう要求を受け入れる懐の深さがある事も、知った。もっと、知りたくなった。何度か繰り返せば、もっと深い所まで触れられるかも知れない。それはいかにも魅力的な予定だ。
 ムードもへったくれもあったもんじゃなかったが、そんなもんはどうやら要らなかった様だ。どうしたって男だ、流されて構わない欲なら抗わない。

 もっと深く様々を知る機会は、またの夜に。夜は何度でもやって来る。


20150706,0707,0708

*自分を女々しいと感じるサンジも、ゾロには男々しく見えてるよ、って事を書きたかったんだ(説明しちゃうのか)けど…違う。これじゃない。(でもこれはこれでありだと思った(自分に甘い)

(メリー号のキッチン部分もキャビンと呼んで良いのかな?)

*誤字発見。振るわせ方→震わせ方に訂正しました。0719
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