『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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女々しいなァ…
サンジはダイニングテーブルに頬を付けて思った。ぶに、とひしゃげた口の反対側には火がついたままの煙草が挟まっている。火種が頬にもテーブルにも付かぬ様、器用に吸いながら、サンジは目を瞑る。
本当の所、サンジは『女々しい』という表現が嫌いだ。無論、罵詈だからだ。女性と悪い意味をごっちゃにするなんて、許し難い。『女々しい』の反意語は何だ、『男々しい』か。こっちは褒め言葉だな。男なんてしょうもないのに、どうしてだ。あれか、図星を突いてはいけません、って事か。でも折角なら男々しくありたい。サンジは女性は素晴らしいものだと思うけれど、女性になりたい訳ではない。男がしょうもないものだとは思うけれど、一端の男でありたいと思っている。そして、今現在の自分は確かに誇れる様な状態ではなくて、自分の理想とする男性像からはかけ離れており、やっぱり『女々しい』のだ。女性を悪く言う様なこの表現は気に入らなくとも。
受け入れる側なのが、悪いのだろうか。
サンジはゾロとセックスする仲だ。
そして、それだけだ。
ゾロが挿入したいと激しく主張した為、それを受け入れている。どうしてもゾロに入れたいかと問われたら、胸を張ってそうだと答える自信が無かったからだ。まあ気持ち良ければどっちでも良いや。そう思った。そこに不満は特に無い。
問題があるとしたら、それだけ、の部分。勿論同じ船のクルーであるし、それなりの信頼はあるがそれは他のクルーと比べて差異のあるものではない。ましてや、セックスする仲にあって然るべき心の交流的なものなど。
そこら辺が、もやもやとサンジを女々しくさせている。
心の交流が欲しいのかと問われたら、そうだと胸を張って答える自信など無い。多分、いや別に、と口を濁すだろう。
けれど、本当にそれだけで良いのか、とあの目で問われたら。己の信念の為に真っ正面から斬られに行った時の様なあの目で。
きっとサンジはその目を逸らす。
そう、自分で想像出来てしまう。
ぼんやりと開けた目の前を、灰がぼとりと落ちて行った。テーブルからの跳ね返しを避ける為に、サンジは反射的にまた目を閉じた。一息の後、目を開けて頭を上げる。短くなった煙草を灰皿へ。テーブル上の灰を拭い取る。
ゾロとの間に、本当に望んでいる事など、サンジには分からなかった。愛し愛されて生きる、そんなものが成立する相手だとは思わない。自分がその片方になるのも、もう片方が男だと思うと悪心さえ催す。といって、女性相手にそのビジョンが描けるかというとそれも怪しい。自分には、無理な様な、そんなもの、望んじゃならない様な。
女々しいなァ…
棚上げして先送りにしてしまおう。
灰皿を始末して、サンジは思う。
結論が出るまでは、このまま。
結論を出しさえしなければ、このまま。
…全く、女々しい。
20141006,1007
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