恋愛相談 in シッケアール城 2014/12/25__00:00

＊メリークリスマス！（全然関係ない話です）（タイトルも若干嘘）

---

　左目に浴びた一太刀が原因で、一週間ベッドから動けなかった。
　体を動かす事が出来ず、焦りばかりが蓄積し、結果、酷く疼いた。

「若い男ってのはしょうがねぇなあ」
　あろう事か、看病の為に部屋の扉を開けた女に、見られ、聞かれた。
　名を呼びながら放出した瞬間を。サンジ、と呟いたのを。
「で？　サンジ、ってのは、何だ？」
　にやにやと、普段は丸い目をいやらしく撓めた女の視線から大事な部分を隠し、手早く後始末をする。
「うるせぇ」
　放出を見られた事より、名前を聞かれた方が痛かった。
「男、の名前、だよなあ？」
　こいつの口調は、あいつに少し似ている。意地の悪い所も。腹立たしい。ついでにいうなら、口では何だかんだと言っても結局世話を焼いてくれる所までそっくりだ。畜生。

「黒足、だな」
　最悪な事に、城の主の声がした。
「麦わらの船の、コックだ」
「あの挙動のおかしい金髪か！」
　的確過ぎる。
「恋人か」
「うるせぇよ」
「片思いか!?」
「うるせぇって！」
　図星指しちゃいけねぇって習わなかったか。
「道理でお前に手を出さない訳だな」
　何をしたり顔で言うか。
「操立ててんのか！健気だな！」
　どんな自惚れだ。
「片思いなのに」
　ぷっ、と吹き出されて、切れた。思わず殴り掛かろうとしたその時。
　得体の知れないものが体を通り抜け、俺は膝をついた。
「藻になって湖の底で丸まりたい…」

　ゲラゲラと笑う幽霊女と鷹の目に、殺意を覚える。
　覚えるが、体が動かない。畜生。強くなってやる。

---

20130826,20140213,1224

　クリスマスなのにこんな話でごめんなさい。
　この後洗いざらい吐かされて更に笑われるんだぜ。はっはっは。