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『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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*毎度お馴染み、何故か深夜に二人きり

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 酒に酔ったりなんてしない奴だと思ってたけど、その夜のゾロは様子がおかしかった。
 いつにも増して寡黙で、伏し目がちで、あまつさえ目の縁は赤らんでいて、動きが、なんだか、艶めかしかった。
 ふんわりと伸びて来た腕が俺をそっと抱き寄せて、あ、キスされる、と思ったのに適切な動きが出来なかったのは、思うより長かった睫毛が震えたのにうっかり見蕩れてしまったからだ。
 軽く触れて直ぐに離れた唇は、思うより柔らかだった。

 キスの一つや二つでどうこうなる程、純情じゃない。
 そう思っていたし、ゾロなんかにやられっぱなしじゃ悔しいから、直ぐに俺から唇を寄せ返した。
 難なく触れた唇は、柔らかさだけを感じて直ぐに離れる予定だったのに、いつの間にか後頭部に添えられていたゾロの手はそれを許さない程度の力強さで俺の髪を掻き混ぜていた。俺の舌を求めて入って来たのは、ゾロの舌だ。アルコールにコーティングされた、熱い、それ。だからそれに酔っちまったんだ、と、思う。舌を刺す程の苦味が互いの唾液に流されて、まろやかさを感じる様になって、これは拙い、と思った。もっていかれる、と。どうしてこんなキスをしているのか、と疑問を頭の隅に居座らせたままに。
 すっかり舌を唇を擦り付ける様なキスに逆上せて、理由なんてどうでも良い気分になった。蠢く舌は思うより心地良く、息の合ったダンスでもしているみたいだった。
 ぼうっと漂う様な気分だったのが我に返ったのは、口端から唾液が垂れるのを感じたからだったろうか、それとも、間違った快感が下腹部を襲った所為だったろうか。多分二人同時に、唇を離した。

「お前も酔うのな」
 荒くなった息をごまかすのに放った言葉を、ゾロはどう聞いただろう。 
「馬鹿言え」
 ぼそりと零れた言葉が余りに心情を反映していて、少なくとも俺には、それは照れ隠しにしか聞こえなくて、俺は、二の句が継げなかった。
 ゾロはまたぎこちなく睫毛を震わせ、俺をじっと見た。瞳まで震えて見えた。
 どうかしてるよ、お前。俺をそんな風に見るなんて。
 俺もどうかしてる。また、見惚れてしまった。そもそも、ゾロを艶めかしく思ったり睫毛に見蕩れたり、その時点でどうかしていたのだし。
 キスの一つや二つでどうこうなるのも、まあ良いか、と思う。三つめからなら、どうこうなるのも宜なるかな。


20141201

*連載中のをちゃっちゃと進めてしまいたいのにどうにも書けないので、リハビリ的に海賊。ちょっとサンゾロっぽいですかね。どっちでも良いか。
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