忍者ブログ
『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

*デキてない二人

拍手




 *****
      



 擦れ違いざま鼻を蠢かせたクソマリモが「あ?」と言った。
「あァ?」
 売られた喧嘩は当然買う。
 足を止めて恫喝すると、怯みもしない可愛げの無さを披露したクソマリモは俺の襟足を掴みやがった。
「なにしやがる!」
 頸動脈を圧迫された俺の抗議は正当だと思う。
 なのにクソマリモはそれには答えず、俺の後頭部に鼻先をくっつけた。
「だからなにっ…っ」
 語尾が心許無くなったのは、項に鼻先を押し付けられたからだ。
 俺の項に鼻先を押し付けたまま数回の呼吸を繰り返したマリモは「落ち着く匂いだな」と言った。
 余りの事、という精神的理由と、襟足を掴まれている、という物理的理由で、大人しくそれを許した形になった俺は、その発言に何と答えるべきか迷った。
 クソマリモは俺の襟足を掴む力を緩め、俺の顔を覗き込み、俺からの何らかのレスポンスを待っている。
 待たれているのは分かるが、何と答えるべきかが分からない俺は、うっかりきょとんとクソマリモを見詰めてしまった。
 暫く見詰め合った(普段なら睨み合ったと言うべきだが、今回ばかりは“見詰め合った”だ。それもなんだか甘やかな)後、クソマリモは小さく吹き出した。別に、侮蔑の色は感じられない。
 クソマリモは手を、ぱ、と離し、ひらひらと振って「たまに嗅がせろ」と言い、にや、と俺に流し目をくれて、立ち去った。
 なんだそれは。
 クソマリモは俺の項の匂いで落ち着くからたまに嗅ぐのをご所望だ?
 なんだそれは。
 脳裏に浮かぶクソマリモの流し目がとてもいやらしいものに思えて、何の反応も返せなかった自分の不甲斐無さと共に赤面を禁じ得なかった。


20140423,0611
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
mail
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
[676] [675] [668] [673] [672] [671] [670] [669] [663] [667] [666]
カレンダー
02 2024/03 04
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
アーカイブ
ブログ内検索
最新記事
最新コメント
[04/16 koma@ツツジの花]
[02/23 タカス]
[04/18 koma]
[12/22 koma]
[12/12 ゆう]
プロフィール
HN:
utae
性別:
女性
手書きブログ
忍者カウンター
忍者アナライズ
バーコード
P R
忍者ブログ / [PR]
/ テンプレート提供 Z.Zone