忍者ブログ
『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

*デキてる二人 in サニー号

拍手




 *****
      



 気怠げに、サンジはネクタイを緩めながらゾロに近付く。
 生簀を背にして浅く、軽く股を開いて腰掛けたゾロの太腿の外側に膝をつき、サンジの脚はそれを挟んで広く開く。サンジはそのまま腰を落とし、ゾロの太腿の表面に太腿の裏を密着させる。ゾロの頬を愛おしげに掌で包み、肩を竦めて顔を寄せる。
 泣きそうな顔だ、とゾロは思った。腕をサンジの背中に回そうかどうか、迷った。生簀の青を映して、白い顔が一層白く見える。青褪めていると言える程に。
 こんな格好で人に跨がっておいて、情欲に塗れたのでもない顔を見せる。ゾロにはサンジが分からない。己の瞳には既に熱が浮いているだろうに、それを至近距離で見て取っているだろうに。
 自分ばかりが余裕の無い様で、それがゾロには面白くなかった。
 頬に添えられていた手が、耳の上から髪の中に差し入れられ、後頭部へと動く。
 近付けられた顔は、迎え撃とうとしたゾロの唇には仕事をさせず、硬い鼻先同士を触れさせる。微かな息がゾロの肌を撫でる。サンジの鼻先はゾロの耳朶に到着し、耳介の裏を擽り、そこでサンジは深く息を吸う。吸ったのと同じだけの時間をかけて吐き出された息は、ゾロの肌に湿り気を感じさせる。
 煙草と混じったサンジの呼気臭を、ゾロは自分で思うより気に入っている。鼻がそれを求めてひくりと動いたのを感じ、ゾロは苦笑した。
 ゾロは保留にしていた腕を、サンジの背に回す。掌を肩甲骨に乗せる。凝り固まった盛り上がりを解す様に摩れば、徐々に強張りは解ける。シャツの裾を引っ張り出し、隙間から手を差し入れる。掌を当てた皮膚が、じんわりと熱を持つ。そうしてやっと、サンジの目にも情欲が灯る。
 情欲の熱が浮いた瞳同士を絡ませ、唇を合わせる。
 俺と向き合う時くらい、最初から曝け出せば良い。何もかも。受け止めるだけの度量は、あるつもりだ。
 ゾロはその掌で、唇で、根気強くそれをサンジに知らせる。
 伝われば、良い。それでサンジが幾許かでも、慰められるなら。


20140106,0601,0610
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
mail
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
[675] [668] [673] [672] [671] [670] [669] [663] [667] [666] [665]
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
アーカイブ
ブログ内検索
最新記事
最新コメント
[04/16 koma@ツツジの花]
[02/23 タカス]
[04/18 koma]
[12/22 koma]
[12/12 ゆう]
プロフィール
HN:
utae
性別:
女性
手書きブログ
忍者カウンター
忍者アナライズ
バーコード
P R
忍者ブログ / [PR]
/ テンプレート提供 Z.Zone