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『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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*何かの続きじゃなきゃ成立しないんだけど、前段が思いつかないまま放出

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 何だこの気持ち。顔が熱い。心臓が煩い。腕が戦慄く。ぎゅうとしがみつきたい、目の前の男に。
 サンジは戸惑っていた。
 可愛い女の子になら、常に抱きつきたいと思っているけれど。目の前に居るのは、女の子要素ゼロのゾロだ。勘弁してくれ。どうしちまったよ、俺の脳みそ。何だか呼吸が困難だ。
 サンジが腕をぱたぱたさせて、口をぱくぱくさせていると、ゾロは、ぷはぁ、と失笑して言った。
「遅ェんだよ」
「はぁ?!」
 サンジは自分でも分かる程間抜けな声を、間抜けな顔で発した。
「俺は疾っくに、気付いてたぜ?」
「何、を?」
 サンジは恐る恐る訊いた。
 口端をゆっくりと持ち上げたゾロは、大層楽しげだった。
「てめェが俺を、好きだって事くらい」
 な!
 サンジが発そうとした声は、音にならなかった。本当に、呼吸が出来なかった。驚き過ぎだ。
 腕も口も動かず体全体が硬直したサンジを見て、ゾロはいよいよ笑った。そして、腕を広げて一歩サンジに近付いた。その距離、足一つ分。どちらかがもう一歩、或いはお互い半歩ずつ歩み寄れば、隙間の無くなる距離。
「ほら」
 ん、とゾロは胸を突き出す。
「抱きつきてェんだろ?良いぜ?」
 サンジは髪が逆立った気がした。
 じりじりと、靴底が動く。引き寄せられてしまう。
 ああもうだめだ、とサンジは思った。
 腕が、ゾロに向かって持ち上がる。指先が戦慄いて、触れて良いものかどうかお伺いを立てている様だ。
 それをみたゾロが、また笑った。ぐ、と指ごと大きな手で包まれて、ぐい、と引き寄せられる。
「遅ェ、って」
 胸をぺたりと合わせて、サンジの顎を己の肩に乗せて、ゾロは言った。
「もう待たせんな」
 ゾロの腕がサンジの背に回る。
「俺が、こうしたい。てめェも、こうしたい。だったら」
 ゾロの腕に力が籠もり、サンジの肋が軋んだ。
「何の問題も、無ェ、だろ」
 バカ、大有りだ。
 と言いたかったサンジはしかし、ゾロの背に腕を回して力を込めた。
 ゾロもこうしたいのだと知ってしまった以上、問題があるからといって、退けられる程度の欲求ではない、と、分かってしまった。
 触れた熱は雄弁だ。頭で考える事なんてクソみたいなものだ。動いてしまう体の圧倒的な正しさに、サンジは平伏すしか無かった。


20140107,0206,0609
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