月 2012/09/29__00:00

　月が綺麗だったので。ポエマー・ロロノア。

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　月を見ると、コックを思い出す。コックを見ると、月を思い出す。
　何となく、だ。多分、金色だから。

　今夜は月が丸くて、空には雲が多い。
　月に叢雲、なんて言ったりするが、雲のかかった月というのも乙なものだと思う。というよりも、月に照らされた雲は、良い。
　昼間見る雲の様に、白や灰色のモノトーンではなく、然りとて朝や夕方の様に、赤やオレンジのカラフルな派手さは無く、しっとりと落ち着いた色合いで、優しい光を帯びている。
　ふと。やはり月とコックは似ている、と。
　コックの周りの空気は、和やかな幸せに満たされている。
　月の周りの空が、美しく照らされる様に。

　ぴょこん、と丸い金色が展望台にやって来た。和やかな幸せを連れて。
「よう。さぼらねぇで見張り、やってるか？」
「ご覧の通りだ」
「感心感心。ほれ、ご褒美」
　酒と肴。とびきり美味いやつ。
　それと、コック。とびきり———。
　
　月を見ると、コックを思い出す。コックを見ると、月を思い出す。
　———綺麗だ、と思ってしまうから。

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　とりとめがない