『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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「食事だ、起きろ」
そう声を掛けられて目を開けると、コックが俺を睥睨していた。
何でそう威圧的なんだ、と思わないではないが、腹が減っている今、こいつと喧嘩するのは上策ではない。
ああ、と口中で呟いて立ち上がった途端、コックはその長い脚を一歩踏み出し、先程まで俺が背を凭れさせていた壁と自らの体で、俺の体を挟み込んだ。
胸が圧迫される。
煙草の匂いが鼻先を掠める。
耳に、コックの溜息が掛かった。
何だこれは。
「…何やってんだろうな、俺」
何言ってやがる。それはこっちの科白だ。
「おい、ちょっと俺の事、ぎゅ、ってしてみろよ」
ぎゅ?
戸惑っていると、コックが俺の手を取り、自らの胴に巻き付けた。
「ぎゅ、って」
その声が、余りに頼りなくて。
ぎゅ。
俺は腕に力を入れた。
ぎゅ。
「こうか?」
「そう。」
そう言ったきりコックは、俺の肩に顎を乗せ、首の力を抜いた。
きっとラウンジでは既に、待てない船長が食事し始め、そうなると自分の取り分を奪われない為に野郎共も必死で食べているだろう。食事に関して船長を止める事が出来る唯一の男がここでへばっているのだから尚更。
俺は、夕食を諦める事になりそうだ。腹減ってんのに。
「おい、大丈夫か?」
弱みを見せるなんて、それも俺に対してなんて、絶対にしそうにない男が、俺に体を預けている。尋常じゃない。
「駄目、なんだろうな」
「どう駄目だ?」
「お前の腕ん中が、心地良いとか。…重症だ」
まるっきり、全く以て理解出来ない。
「分かるように言え」
そう言ったのに。
「なぁ、ゾロ?」
コックは俺の要求には応じず、とてもこの男の科白とは思えない事を言った。
「たまには、こうしても、良いか?」
たまには、———時々は、
こうしても、———ぎゅ、としても、
良いか?———構わないか?
俺は考えた。考えたけれど、断る理由は見つからなかった。しかし素直に要求をのんでやる謂れも無い。
俺は考えた。どんな条件を出せば、対等だろうか。
「俺もして良いならな」
尖った顎の先が肩にめり込んだので、コックが笑ったと知れた。
「OK、交渉成立だ」
コックはそう言ったきり、俺に体を預けたままで居るので、俺も、ぎゅ、としたままで居てやった。
今夜の夕食は、既に船長の腹の中だろう。けれど、そうなったのはコックの所為だ。きっとコックが、美味い夜食を用意してくれるだろう。
そうしたら、また、ぎゅ、としてやって、酒でもねだってみようか。
それも、悪くない。
20120412,0927
なんだかゾロが幼い。情緒の発達がいまいちな子。
(情緒過多なサンジに触れるうちに発達していったら良いよ)
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