『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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湿って陰気なこの島の空は、何かに似ている。色だけが。何だろうか。印象は全く違うように思う、それ。
先ずは治療だと言い渡されて、渋々ながらベッドの上で眺めた空。焦燥の色。
考えない様にしていた。
自分が飛ばされてしまった後、仲間がどうなったかなど。
ルフィが何とかしただろうか。全員で力を合わせて、何とか?
否。
敵わない、と、それだけは分かった。圧倒的な力の差。あの場を支配したのは、恐怖、だった。
スリラーバークで俺が生き残れたのは、某かの恩情を掛けられたのだ、と、はっきりと思い知らされる様な。
そして今、恐らく、恩情を掛けられて、俺はベッドの上でぬくぬくと静養している。
全員が無事であると良い。この恩情が、俺だけに掛けられたのではなく、全員に。
それは、希望だ。俺が生きているのだから、仲間も生きている。そう思う事が、唯一の安寧だ。
空の色に、焦燥が募る。落ち着きを求めて、抜身を眺める。切っ先が光って、思い至った。
あいつの、目だ。一見、海みたいな色をした虹彩の、近くでよく見なければ分からない、瞳孔に一番近い部分。
それを知れた事の悦びと、心までは思い通りにならないと知らしめている様なその色に、否応無く思い知らされる覚束無さ。
俺の心をざわめかせる、その色。
それに、似ている。
もう一度。
間近で見る、その時まで。
眺める空の色は鈍色の青。
次こそは。
恩情など期待出来ないこの先の新世界を、共に渡るあの目を。
もう一度。
この空と同じ色か確かめる。
その日まで。
焦燥は封印する。
20130517,0822,20140304
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